青森山田MFバスケス・バイロンの衝撃…超絶切り返しからアシスト「埼スタで力を発揮できた」
ゲキサカ / 2019年1月16日 21時22分
[1.14 選手権決勝 青森山田高 3-1 流通経済大柏高 埼玉]
埼玉スタジアムを埋めた54,194人の観衆を沸かせた。鋭いドリブルで右サイドを切り裂き続けた青森山田高MFバスケス・バイロン(3年)。「相手の動きを見て、飛び込んできたら中に入って、構えていたら縦にいきました」。ボールに食いつく相手DFの動きをしっかりと見て仕掛け、守備陣を翻弄した。
最大の見せ場は後半18分だった。右サイドでボールを持ったバイロンは縦に突破すると、2度目の切り返しで2人を置き去りにし、相手MFの股を抜いてラストパス。逆転ゴールをお膳立てした。「今まで注目されなくて悔しかった。埼スタで自分の力を発揮できた」。自身よりもJ内定MF檀崎竜孔(3年)、DF三國ケネディエブス(3年)らが注目を集めてきたが、大舞台でその名を知らしめた。
くすぶっていた思いをぶつけた。前回大会の決勝戦で劇的な決勝点を挙げたFW榎本樹(前橋育英、松本内定)は中学時代、埼玉の東松山ペレーニアFCジュニアユースのチームメイトだった。当時10番を背負ったのはバイロン。先を行く活躍を見せられ、「感動もしたけど悔しかった。負けていられなかった」と刺激を受けた。
抜群のパフォーマンスだったが、本人は「きょうは70〜80点です。点を決めたら90点」と満足しない。チリで生まれ、9歳で来日してからは埼玉県で育った。地元のピッチには両親や恩師も応援に駆けつけ、青森の3年間で成長した姿を披露。たどり着いた最高の景色に「幸せでした」と歓喜に浸った。
「選手権優勝は通過点だけど、きょうは初めて何かを成し遂げられた日でした」。東北社会人リーグ1部のいわきFCに入団するバイロンは2月からハワイ遠征に合流。その先の目標にはJクラブ加入、チリ代表入りを掲げ、進化を続けていく。
(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2018
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