「信じて走った」青森山田FW佐々木銀士が価値ある同点アシスト
ゲキサカ / 2019年1月14日 22時41分
[1.14 選手権決勝 青森山田高 3-1 流通経済大柏高 埼玉]
背番号9を託された男は最前線で攻守に働いた。青森山田高(青森)FW佐々木銀士(3年)は「誰よりも走る。前線からの守備だったり、裏への抜け出しでゴールに絡もうと思っていた」と闘志を燃やして試合に臨んだ。
この日、佐々木の眼前には鹿島内定DF関川郁万(3年)が構えていた。しかし、怯むことはない。幾度となくエアバトルに挑み、五分以上の戦いを繰り広げた。そして、1点のビハインドを背負って迎えた前半40分には大仕事をやってのける。
自陣でMF天笠泰輝(3年)がボール奪取を成功させると、「良いパスが来るのを信じて走った」とすぐさま前線へと駆け上がる。「奪ってからのカウンターは練習から意識して取り組んでいたし、流経は前からグイグイ来るので、そのパワーを利用して裏を狙えと言われていた」。天笠からピンポイントパスが届けられると、右サイドを一気に抜け出し、ゴール前に走り込んだMF檀崎竜孔(3年)へのグラウンダーのクロスで同点ゴールをお膳立てした。
後半に入って2点を加点したチームは3-1の逆転勝利を収め、2年ぶりの優勝を果たす。試合終了のホイッスルが吹かれた瞬間は「よく分からないけど涙が出てきた。うれしいというか鳥肌が立った」ようだが、「でも、あまり優勝した実感がわいてこない。本当に優勝したのかなという感じです」と苦笑した。
決勝で1アシストを記録するだけでなく、攻撃の基準点としても存在感を示し、前線からのチェイシングで守備でも貢献した。しかし、黒田剛監督からは「『強いチームのFWは点を取るぞ。山田が選手権で勝つためにはお前がもっと力をつけないとダメだ』とすごく言われていた」。自身は今大会1得点に終わったこともあり、「得点という部分ではチームを助けられなかったし、貢献できなかった」と少しだけ悔しさを残しつつ、「監督から言われたことを忘れず、大学では自分が得点を取って、また日本一になれるように頑張りたい」と進学する東洋大でのさらなる成長を誓う。
(取材・文 折戸岳彦)
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