1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

デフフットサル日本代表・東海林主将の採用担当者の証言「彼のおかげで社内の人間関係が濃くなった」

ゲキサカ / 2019年1月16日 7時0分

 聴覚に障害があることが仕事に影響を及ぼしていないのだろうか?

「実は、(東海林は)採用面接のときに『電話はちょっと難しいです』と話をしていた。でも入社早々、彼は会社のビジネスフォンに機械(受話器と本体の間につける拡張器のようなもの)をつけて、外線でも普通にとるんです。これまでも聴覚に障害のある方を何人も見てきましたが、彼らは話をしながら相手の口の形を見て理解する。でも電話はそれができないため、電話を怖がる人は多いんです。それでも彼は電話とりにいくんですよ」
東海林が会社で使用している電話。受話音量増幅器(左)をとりつけ、音量を調節する
 東海林以外にどんな障害を持った人が入社しているのだろうか?

「アスリート採用では卓球選手がいて、その社員も聴覚障害を抱えています。それ以外はメンタル面や知的な障害を抱えた方です。聴覚障がい者の採用を各部署に相談に回ったとき、IT開発部門の部署が積極的に手を挙げてくれました。『今の時代、健常者同志でもコミュニケーションがとりづらい。ウチのメンバーも障がいのある方とのコミュニケーションを学んでくれれば、別の仕事でも活きてくる。ぜひ受け入れたい』と。お客様やユーザーが望むものを作るプロセスにおいても、最後はコミュニケーションを通した関係性が大事になってきますから」

 その部署はどんな変化が生まれたのだろうか?

「たとえば部署内でシステムの内容を具体的に説明するとき、障がいを持つ彼にもわかるように話をしなければいけませんので、その準備をするわけですが、結局、人に説明をするときは、自分が本当に理解を深めないと説明できないことに気づいたようです。その結果、部署内のやりとりがより濃密になって理解が深まっている、と聞きました」

 今後、障がい者の採用で新たに考えていることはあるのだろうか?

「偶然なんですが、アスリートでは身体障害の方は、聴覚障がい者しか出会っていません。そうでない人が採用されたら、また社内に違うことが起こるかもしれませんが、そこは走りながら考えるしかない。ただ、会社の空気をかえるという面ではいい方向に来ています。東海林君を採用する前に、悩んでよかったと思います」

(取材・文 林健太郎)
●障がい者サッカー特集ページ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください