[新人戦]今年こそは、想い持つ“華麗なる猛虎”東海大福岡。快勝にも満足感なし
ゲキサカ / 2019年1月31日 17時3分
[1.26 福岡県高校サッカー新人大会3回戦 東海大福岡高 3-0八女高 東海大福岡高G]
平成30年度福岡県高校サッカー新人大会の3回戦が26日に行われ、東海大福岡高と八女高が対戦。MF小川真尋(1年)の2ゴールなどによって、東海大福岡が勝利した。
今年の東海大福岡が狙うのは、2012年度の選手権以来となる全国大会への出場。目標を高く設定しているからこそ、勝っただけでは満足できない。快勝したこの日も大丸忠監督、選手ともに手厳しい言葉が並んだ。
主将のFW徳山碧(2年)は、「声が少なく、試合の入り方が悪かった」と反省の弁を述べたが、試合展開としては決して悪くなかった。自陣でのボール回しからサイド攻撃を引き出し、チャンスを伺うと前半8分には小川が左サイド高い位置で相手ボールを奪取。そのままPA内に持ち込み放ったシュートはGKに阻まれたが、こぼれ球を詰めたMF永江青渚(1年)が相手のハンドを誘い、PKを獲得した。このチャンスを小川が決めて、東海大福岡が先制した。
幸先の良いスタートを切ったものの、以降は「それぞれがやるべきことをやっていない。抜ける動きがないと相手を崩せないのに怠っていた。選手同士の距離も遠く、パスの距離が長くなり、ミスが多かった」(大丸監督)。ボールロストから俊足のMF中山創充(1年)を中心とした八女のカウンターを受ける場面も見られ、15分には八女に決定機が到来。PA左でパスを受けたMF田本祥汰(2年)がマークを外して、ゴールを狙ったが、枠を捉えることができなかった。その後は共に見せ場を作れないまま試合を折り返した。
苦しい試合展開が続く中、気を吐いたのは先制点と同様に指揮官が「速いし、左足のパンチもある」と評する期待の1年生、小川だった。後半10分には、自陣でボールを持ったDF森木嶺(2年)が左前方にロングフィードを展開すると、ライン際で待ち受けた小川が上手くボールをコントロール。「一回、FWに当ててワンツーで抜けるイメージができていた」と振り返った小川は素早く中央の徳山に預けるとリターンを貰い、豪快に追加点を叩き込んだ。14分には高い位置でセカンドボールを拾ったMF田坂拳也(2年)がシュートを狙う。この一撃はクロスバーに阻まれたが、こぼれ球を拾った徳山が倒され、PKを獲得。徳山が自ら決め、3-0で試合を終えた。
MF高田悠ら技巧派を中心としたポゼッションスタイルが機能した昨年は、敗れはしたものの選手権予選準決勝で王者・東福岡高を苦しめるなど確かな爪痕を残した。だが、新チームになってからも残る主力はGK李到炯(2年)のみ。目指すサッカーは変わらないが、昨年と同じままでは全国への道は開かない。
今年こそはとの想いは全員が強く思っているため、快勝したこの日も満足はしていない。大丸監督が指摘するのはプレー面よりも選手の意識面で、「今年はうまい選手が少ないから、新人戦では全員で戦う意識を高めて欲しい。一人でやれない分、守備も攻撃も枚数かけて戦わなければいけない。相手見てどうこうではなく、自分のやるべきことを100%やって欲しい」とハッパをかける。新人戦の経験を活かし、どんな成長曲線を描くのか。“華麗なる猛虎”の戦いは始まったばかりだ。
(取材・文 森田将義)
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