ボランチで先発の塩谷、敗戦に肩落とすも「代表でやるサッカーは楽しいと再認識できた」
ゲキサカ / 2019年2月2日 10時39分
[2.1 アジア杯決勝 日本1-3カタール アブダビ]
大会が進むにつれて与えられる役割が重くなっていったのは、試合ごとに見せるパフォーマンスが評価されたからに他ならない。日本代表でただ一人の中東戦士、DF塩谷司(アルアイン)は決勝のピッチでMF柴崎岳とダブルボランチを組んで先発。本職ではないポジションで日本の勝利に貢献しようと奮闘した。
だが、相手の5-3-1-1システムに対して日本のプレスがうまくハマらず、柴崎との中盤のバランスは微妙に。自由に動くFWアクラム・アフィフを捕まえ切れず、前半12分には左サイドに開いたアフィフからの折り返しをFWアルモエズ・アリに技ありのバイシクルシュートを決められ、先制点を失った。
「11番(アフィフ)をうまく捕まえることができずにズルズルいった結果、失点につながった。相手がいろいろなシステムでやってきていて、いろいろな情報がある中で対応が遅れた」。期する思いと裏腹の結果に、塩谷は肩を落とした。
それでも見せ場を演出したのは意地だろう。2点を追う後半24分、PA手前で鋭い縦パスを送ると、PA内中央でDFを背負ったFW大迫勇也がつなぎ、MF南野拓実がチップキックでシュート。1点差に詰め寄るゴールの起点になり、日本ベンチは沸き立った。しかし、もう1点が遠く、日本は敗戦。塩谷は「良い時間帯に点を取れたが……」と力なく言った。
悔しい準優勝。しかし、出番のなかった15年アジアカップとは違い、今回は追加招集ながら2試合に先発し、3試合に途中出場を果たした。「久々に代表に呼ばれて、試合にもたくさん出させてもらって、代表でやるサッカーは楽しいと再認識できた。みんなの向上心やサッカーに対する姿勢を間近で見て良い刺激をもらい、自分も頑張ろうと思えた」。得たものは決して小さくなかった。
17年6月にUAEに来て1年7か月余り。「日本人にはあまり良くない中東のイメージを変えたいと思っている。UAEはすごく良いところ。過酷なこともあるが、素晴らしいところだともっとみなさんに分かってもらえられれば」と話す塩谷。今後もまた森保ジャパンに呼ばれることで、中東でプレーする選手としての矜恃を示したいと考えている。
(取材・文 矢内由美子)
●アジアカップ2019特設ページ
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