[もうひとつの高校選手権・開幕直前]出場校紹介:三重県立稲葉特別支援学校
ゲキサカ / 2019年2月15日 1時51分
「2C」で連携深めた東海王者の目標は全国初勝利
第4回全国知的障害特別支援学校高等部サッカー選手権「もうひとつの高校選手権」が16日に静岡県藤枝総合運動公園サッカー場で開幕する。代表10校を紹介する連載の5回目は、昨年末の東海地区大会で三重県勢初の優勝を果たした三重県立稲葉特別支援学校。
ひと足早く「勝つ味」を知った。三重県稲葉特別支援学校は昨年12月23日、静岡県袋井市で開かれた「第24回東海地区特別支援学校知的障がい教育校サッカー大会」で三重県勢として初優勝。「もうひとつの高校選手権」に直接つながる大会ではないが、三重、静岡、愛知、岐阜の4県12校の頂点に立った。赴任1年目の種村孝司監督が明かす。
「去年はエース格の選手がいたようですが、その生徒が抜けてビジョンがない中でスタートしました。生徒たちの話を聞いていると、自分たちがどうすればいいかわからない様子だったので、まずは選手たちの意見を吸い上げるために『どんなことしたいんや』と話を聞いてまわりました」
種村監督が本格的に指導をはじめたのは7月下旬から。わずか5か月で成果を出したのは、三重県選抜のコーチもしていた種村監督の指導力の賜物でもある。
「結局、最終的に判断して決めるのは選手たちですから、選手同士で話をさせたり、お互いに意見を出しあいながら、『自分たちがやっていこう』という姿勢を持てるように考えました。それまでは、どちらかというと受け身の姿勢だったんです」(種村監督)
優勝した東海地区大会で準々決勝以降、6得点上げた飯田爽太(2年)にボールを集めるために、いかに守ってつなぐか。そのために「コンビネーション(Combination)とコミュニケーション(Communication)という「2C」を掲げた。
「パスだけをする、ドリブルをする、だけではなく、コンビネーションを大事にしました。また、『自分がどう思っているぞ』ということを相手に伝えるトレーニングもしてきました。たとえば、『こうしたい』という選手がいたとして、それが実際にできないとなると『なんでそんなことするねん』という言葉が聞かれるようになる。そういうマイナスな雰囲気を作るようなことはよくないので、プレーの前の時点で『こうしてほしい』ということを要求する対話の仕方を覚えさせました」
伝統ある大会で優勝し、年度最初の目標を達成した。「もうひとつの高校選手権」には気持ち新たに乗り込む。
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