[もうひとつの高校選手権・開幕直前]出場校紹介:長崎県立希望が丘高等特別支援学校
ゲキサカ / 2019年2月22日 22時45分
2年越しのリベンジを目指して
第4回全国知的障害特別支援学校高等部サッカー選手権「もうひとつの高校選手権」が16日に静岡県藤枝総合運動公園サッカー場で開幕する。代表10校を紹介する連載の6回目は、2016年度の準優勝校である長崎県立希望が丘高等特別支援学校。
全国大会で悔し涙を飲んだ相手と初戦で激突する。2大会前の準優勝校、長崎県立希望が丘高等特別支援学校は決勝で1-3で敗れた東京都立永福学園といきなり対戦する。村上傑監督は、様々な偶然が重なった“リベンジマッチ”に喜びと戸惑いを交錯させた。
「私は赴任1年目で前回全国大会に行ったときのチームに帯同していないので、特に永福さんを意識していたわけではないんですが、今年のチームを立ち上げたときに『全国大会のリベンジをする』とテーマを掲げてやってきました。全国大会に出られることが決まって、その相手が永福さんですから……。縁もあったんでしょうね」
当時の悔しさを知る3年生部員が3人残っている。主将のDF福井雄澄は折に触れて村上監督に「選手だけでミーティング、いいですか?」と相談に来て、当時負けた悔しさや、全国大会のレベルの高さ、厳しさを1,2年生に伝えているのだという。
「2年前、自分の目の前で失点したことが、すごい悔しかったそうです。そのときのリベンジをしたい。そのために何が必要か。『学校生活もしっかりしよう』ということも言ってくれていて、チームのためによく動いてくれます」(村上監督)
しかし、練習環境には制限がある。部活動は17:00までと定められているため、放課後は正味1時間ほど。専用のグラウンドはなく、陸上部と30分交代でグラウンドを使用する。駐車場付近の芝生でパス&コントロールといった基礎的なトレーニングを徹底的に積み、グラウンドを使える時間帯にシュートまでの流れを確認してきた。したがって
戦い方も、ピッチ上でも最後尾からしっかりしたコーチングで指示を出す福井主将が長いボールを蹴り、攻撃時に鋭い動きを見せる右サイドの背番号10の二瀬真次(3年)や山﨑風輝(1年)にどう効果的なボールを配給できるか。戦い方がシンプルな分、徹底できる強さがある。
「優勝はあまり意識していなくて、まずは『全国1勝』です。勝てれば次を目指す、といったスタンスです。1勝できれば『自分たちもできるんだ』と自信にもなるんじゃないですかね」(村上監督)
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