[デフフットサルW杯アジア予選]日本代表は中国に圧勝し、3大会連続のW杯出場を決める
ゲキサカ / 2019年2月22日 0時7分
11月にスイスで行われるデフフットサルワールドカップ(W杯)の予選を兼ねたアジア太平洋ろう者フットサル選手権(タイ)に出場中の男子日本代表が19日、グループリーグB組第3戦で中国代表と戦い、11‐0と圧勝。3大会連続W杯出場を決めた。B組は1位がイランで2位の日本は、23日の準決勝で前回W杯準優勝のタイに挑む。また、2連勝中の女子日本代表22日、第3戦でタイ代表と戦う。
試合後、男子日本代表の川元剛監督の声は枯れていた。
「(W杯出場が決まり)少し安心できました。もちろんこのアジア予選で優勝は目指しているんですけど、大会に入るときからW杯で優勝することが頭にあります。一戦必勝の思いで試合には挑んでいますが、W杯本番を見据えた戦いもしてきましたし、これからもしていきます」
前半2分、吉野勇樹のゴールを皮切りに11ゴール。7-0とリードした後半11分すぎには、苛立った中国代表の選手がイエローカード2枚で退場し、圧勝の追い風となった。
前回の2015年のW杯は7位。優勝したイランに3点差、当時世界一だったロシアに1点差で敗れた。8日間で7試合こなすタフな戦いを経験し、2大会連続の指揮となる川元監督は常に、選手たちの心身のグレードアップを要求してきた。
「今回のW杯で世界一になることへの思い、そこに対する準備と覚悟が前回とは全く違います。今いる代表選手の半分ぐらいが前回を経験していますが、最低でも筋肉だけで7、8㌔パンプアップしてきているんです。4年前と比べ物にならない体つきをしているので、海外の選手もそのあたりを感じ取っているのだと思います」
昨年12月にはデフフットサルの日本代表としては史上初の海外遠征を敢行。W杯で世界一を目指す選手たちが海外経験の少なさを少しでも補うことを目的に、川元監督に「海外に遠征させてほしい」と直訴。その思いに応えるために、川元監督の自らのネットワークを駆使してバルセロナへの遠征を実現させた。
スペイン遠征については協会から旅費等のバックアップは出なかったため、各自が貯金を切り崩した。まだ筑波大学の学生である野寺風吹などは、クラウド・ファウンディングを立ち上げ、約2か月で集まった約110万円を12月のスペイン遠征と今回のアジア選手権、W杯の遠征費に充てる。遠征に行けた人がいる一方で、貯金を十分に持ち合わせないため、活動参加を断念する選手もいる。日本代表の活動にも関わらず、協会から金銭面のバックアップを継続的に得られない現状を打破するため、選手たちは一同に「W杯で知名度をあげて、この状況を変えたい」という使命感を、モチベーションに変えている。
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