アジア王者から鮮烈2発!! JFL出身の大分FW藤本、成り上がりの秘訣は「何とかなる精神」

　その後、後半立ち上がりに同点とされた大分だが、同24分に再び藤本に見せ場が訪れた。FWオナイウ阿道の絶妙なスルーパスに抜け出し、右足ダイレクトで冷静にシュート。14年のJFL、17年のJ3、18年のJ2で開幕戦にゴールを決め続けてきた“開幕男”がトップカテゴリの初戦でも2発を沈めてみせた。

　試合後、藤本はランダムに分担されるドーピング検査の対象となったため、チームバスが出発した後にミックスゾーンへ登場。それでも大勢の報道陣がヒーローを待っていた。主な話題は異色の経歴について。「JFL、J3の経験があったから今がある」と過去を振り返り、自身の選手キャリアを丁寧に説明した。

　もっとも、関西人の気質ゆえか湿っぽい雰囲気にはならず。青森山田高の後輩MF柴崎岳とのエピソードを問われれば、昨年11月に行われた日本代表の大分合宿で「まず覚えてる?って聞きました」と冗談交じりに返答。JFL時代の苦労を乗り越えた秘訣を「ノリっすね。“何とかなる精神”で上がってきました」とあっけらかんと語るなど、終始なごやかなムードで世間に存在を知らしめた。

　とはいえ、リードを広げられなかった2度の決定機逸には反省の言葉も口をついた。「J2時代からハットトリックは遠い存在。チャンスを決め切れる選手になれるようにもっと成長しないといけない」。国内最多20冠の名門に一泡吹かせた自信と、J1デビューの舞台で感じた自身の課題。まだまだプロ入り4年目、遅咲きストライカーの本領発揮はこれからだ。

(取材・文　竹内達也)★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
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