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デフフットサル日本代表候補・鎌塚の恩師、前橋育英・山田監督が明かす「ブレイクした理由」

ゲキサカ / 2019年3月5日 17時18分

 聞く姿勢とサッカー選手としての成長。一見、関係なさそうな両者にどんな関係があるのか。山田監督に解説してもらった。

「人から聞いたものを取捨選択して取り入れる力は、サッカーそのものに通じてくると思っています。よく『動きの質』といいますが、サッカーは結局、相手をだますことなんです。素直すぎてもダメ。相手をひきつけてその裏をかく。それは考えないとできないことで、身体能力だけで相手を抜くことはできないんですよ。サッカーはおもに頭から下の足腰を使ってプレーしますが、生徒たちには『一番大事なのはハートと頭だ』と常に言っています。人の話を聞くことで今まで気が付かなかったことに気づき、人生を築くことにつながる。それが高校時代にくるのか、卒業後になるのか。そればかりは人によって違う。一つだけはっきりしているのは、あきらめたら試合終了。サッカーと一緒ですよね」
卒業アルバムを開きながら思い出話を語った
 2年前、全国高校選手権優勝に導いた決勝ゴールをあげた榎本樹(松本山雅FC)も聞く構えを改善して伸びていった選手だという。

「最初はひどかったんですよ。身長が186㎝もあってポテンシャルは確かでしたが、1年生のときなどは集合をかけると、背が曲がってだらしない格好で話を聞いていた。ですから最初、個別に彼を呼んで、私が彼と同じ姿勢をとって『お前、どう思う』と聞くことからはじめましたね。幸い彼の周囲に、話を聞き入れて伸びていく選手がいて、そのプロセスを目の当たりにして感化されたと思う。だんだん顔つきがよくなって、取り組む姿勢が変わって、最後は前のめりになるような姿勢で話を聞いていました。学ぶことを学んだじゃないかな」

 準優勝に輝いた渡邊や鈴木と同学年のDF岡村大八は前橋育英では完全に控え選手だったが、立正大で頑張りザスパ草津に決まった。小泉佳穂も青山学院大に進学後にレギュラーになり、FC琉球に入った。高校時代に花開かなくても、少し硬かったつぼみが大学で花開き、道が開けた好例だ。

「彼らを見ていると、つくづく人には無限の可能性があるんだな、と思います。卒業後に大八(岡村)なんかと話すと『(前橋育成で出られずに)悔しかったですよ。だから僕は大学で頑張った』って言ってましたから。同じ境遇にいたカマちゃんにも伸びしろはいっぱいある。日本代表に呼ばれるようなチャンスの場が与えられることはいいことです」

 鎌塚は、サッカーの指導はほとんどしてもらえなかった山田監督にそれでも感謝し、日本代表として活躍することで恩返しをしたい、と話す。教え子のそんな思いを、山田監督はどう受け止めたのだろうか。

「そう思うこと自体、すごいこと。これまで生きてきた中でいろんな人の支えがあり、いろんな人の思いをわかっていないと、23歳でそういう言葉は出ないです。むこう(イタリア)で逆に相当苦労しているのかもしれない。代表に呼ばれたら、何とか残ってほしいですよ。また新しい可能性を示してくれることになりますから」

(取材・文 林健太郎)
●障がい者サッカー特集ページ

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