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「自分をどう出すか、探っている」。ブラインドサッカー日本代表12年目の”献身男”カトケンのジレンマ

ゲキサカ / 2019年3月16日 0時23分

「サッカーは高校1年ぐらいまでしかできず、スポーツ云々というより、家にこもることが多くなってしまいました」

 希望を失った加藤は一時期、自分のことを「必要ない人間」とまで明かすほど追い詰めたが、筑波技術大学に進学後、両親がたまたまブラインドサッカーを見つけてきて、加藤にすすめ、日本代表のエース川村怜らが所属するAVAZAREつくばの前身「つくばアスティカーズ」の練習を見学したことを機に競技をはじめた。

「両親が見つけてくれなかったら、きっとやっていなかったと思います」

 ブラインドサッカーによって生きる希望を取り戻した加藤は、時には自ら手を挙げてまで普及イベントに積極的に参加し、競技の魅力をアピールし続けている。見えることの有難さ、見えなくなることの恐怖心の両方を知っているがゆえに、いつも根底には「障がいのある人にとって生きがいや希望につながる情報を発信したい」との想いがある。

 日本代表に残れた場合の抱負を聞くと、こんな答えが返ってきた。  

「誰と交換してもいいように準備したいです。自分が点を取れればいいですが、まずは(チームが)攻撃へのきっかけをつかめれば。そこでチャンスをつかめば、(チームも自分も)バリエーションが増えると思いますから」

 まだ迷いから抜けられていないのか、どこか控えめだ。ただチームの勝利につながるゴールが決めれば、トンネルの出口は見えるはず。19日開幕のワールドグランプリは、カトケンの心の霧を振り払うための正念場の戦いとなる。

▼日本代表メンバー
GK佐藤大介(たまハッサーズ)
GK高橋太郎(ラッキーストライカーズ福岡)
FP川村怜(Avanzareつくば)
FP黒田智成(たまハッサーズ)
FP田中章仁(たまハッサーズ)
FP日向賢(たまハッサーズ)
FP加藤健人(埼玉T.Wings)
FP佐々木ロベルト泉(Vivanzareつくば)
FP寺西一(松戸・乃木坂ユナイテッド)
FP佐々木康裕(松戸・乃木坂ユナイテッド)

(取材・文 林健太郎)
●障がい者サッカー特集ページ

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