[ヤングサッカーフェスティバル]U-16代表歴持つ清水ユースFW川本がSB、WBで示す新たな可能性
ゲキサカ / 2019年3月11日 23時33分
[3.10 静岡県ヤングサッカーフェスティバルU-18の部 静岡県ユース選抜 1-0 日本高校選抜 草薙陸]
中学時代は全国3冠、メニコンカップMVP、そしてU-16日本代表歴も持つストライカーが、新境地でも可能性を示している。静岡県ユース選抜の右WBを務めていたのは、昨年まで清水エスパルスユースの前線で奮闘してきた川本梨誉(2年)だった。
対応の甘い部分があったことは確かだが、攻守で賢いプレーも。また球際では相手の前に強引に身体をねじ込んでボールを奪い取る力強さを発揮し、タイミングの良いインターセプトからチャンスに絡むシーンもあった。
この日対戦した日本高校選抜はSBがウイングプレーヤーのように高い位置を取ってくることが特長。前半はスピードのある水野雄太(大津/3年)、後半はガツガツ前に出てくる豊島基矢(青森山田/3年)とタイプの違うSBとのマッチアップとなり、幾度か危ないシーンも作られたが、川本は経験の少ないワイドのポジションで粘り強い守備を続け、無失点勝利に貢献した。
本人は「きょうは全然できなかったです。攻撃にもうちょっと関わりたかったです」と反省。静岡県ユース選抜の加藤慎一郎監督(清水ユース)は「(WBとしても)良いところを持っている。推進力が出てくる」と期待する。川本はその推進力を活かした攻撃参加からクロスを上げることを目指していただけに、納得していなかった。それでもパワフルな攻守、特に攻撃面での期待は大きい。
川本は今年2月にトップチームの鹿児島キャンプに参加。そこでSBを経験してきた。その経験もあって、ユースチームでもFWとSBに挑戦中。ただし、SBを始めるに当たってもっと早く頭を切り替えるべきだったと反省している。当時はまだ強すぎたFWへのこだわり。今は2つのポジションができることをチャンスと捉えて、FW、SBそれぞれのポジションで何ができるか見せるつもりでいる。
「今は自分のことを買ってくれる人が多くて、色々なポジションをやらせてもらえるのは嬉しい。そこで自分が結果で応えられるといいんですけれども自分がFWならばFWで結果を残す、SBならばSBで結果を残すという部分で曖昧な部分があってそこで迷われてしまっていると感じている。SBだったらクロス上げるとか、何回上げるとか、FWだったら得点とかしていければいい」
まずは絶対の目標であるトップ昇格を果たすこと。今年はその先も見据えて成長を目指す一年、またチーム、個人として結果を求める一年でもある。「自分は色々代表行かせてもらったり、海外に行かせてもらったり、色々と経験をさせてもらっているので、その中で結果ですね、結果で示していきたいと思っています」。新たな可能性を見せつつある川本がどのように花を開かせるのか注目だ。
(取材・文 吉田太郎)
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