[新人戦]創部7年目、中国大会初出場の就実がPK戦制して準決勝進出!
ゲキサカ / 2019年3月17日 14時3分
[3.17 中国高校新人大会準々決勝 沼田高 1-1(PK3-4)就実高 広島皆実高G]
第11回中国高校サッカー新人大会は17日午前、準々決勝を行い、高川学園高(山口1)、崇徳高(広島1)、就実高(岡山2)、そして立正大淞南高(島根2)が準決勝へ進出した。初出場の就実は準々決勝で沼田高(広島2)と対戦。1-1で突入したPK戦を4-3で制している。
「格好つけずに、みんなでファイトする、戦う」ことがチームのスタイル。加えて一芸を持つ選手の多い就実が初出場で中国大会4強入りだ。ドイツ、欧州での指導者ライセンスを持つ須田二三明監督は今大会、選手たちに「相手の良さを消すのではなく、自分たちの良さを出して行こう」と求めているという。選手たちは持ち味を出しながら、苦しい試合を勝ち切ってまた厳しい戦いを経験するチャンスを掴んだ。
先制したのは沼田の方だった。前半10分、俊足FW打越彪乃介(2年)がDFの背後へ抜け出し、そのまま左足シュートを流し込む。対する就実は今年に入ってからFWを務めているという183cmFW東谷光汰(1年)がボールを収め、そのラストパスや50m走5秒9の快足MF青木慧大(2年)の縦突破などから攻め返す。
そして26分、就実はペナルティーアーク外側からのFKを左SB牛田援(2年)が左足で鮮やかに決めて同点。その後も「技術がないのでそういうところではチームに貢献できると思っているのでやっていきたいなと思っています。自分がキャプテンとして見せて引っ張って行けたらいいと思っています」というMF湯淺怜夫主将(2年)が球際の攻防で抜群の存在感。28分には彼のインターセプトから決定的なチャンスが生まれるなど目立つ存在になっていた。
後半も就実がより攻撃を仕掛けていたが、沼田はMF加藤悠希主将(2年)を中盤から左SBに下げて相手の“要注意人物”青木に対応。そして、相手DFラインの背後に送られたボールに打越が反応するなど、一発を狙い続ける。
対して就実は18分、東谷の右足シュートが右ポストを直撃。さらに終了間際の35分には東谷が抜け出したが、沼田はCB東雅音(2年)とGK楠本秀一(1年)が挟み込むようにコースを消してシュートをストップする。大ピンチを逃れてPK戦に持ち込んだ。
PK戦では沼田の4人目を就実GK牧野匠悟(2年)がストップ。直後には沼田GK楠本が左に跳んで止め返す。だが就実の牧野がその直後に沼田5人目のシュートを右に跳んでストップ。最後は緊張のPKを就実CB木原健志(2年)が右足で決めて決着を着けた。
元々女子校だった就実が男女共学になったのが09年。サッカー部は強化後わずかな期間で岡山県4強の常連となったが、そこから壁を破るのに苦労してきた。それでも須田監督が「ベスト4の空気感に慣れてきて、勝ちたいという欲が出てきた」チームは創部から7年目でプリンスリーグ中国昇格を果たし、中国新人戦でも4強入りを果たした。
今年の目標は全国出場。湯淺は「(県)決勝の負けから『全国に出てやろう』という気持ちがもっと強くなったと思います。あとは全国大会に出場するだけなのでみんなで意識してやきたい」と意気込んだ。今大会準決勝(18日午後)では同じプリンスリーグ中国勢の強豪、立正大淞南と対戦。自分たちの良さを全力でぶつけて、さらなる自信を掴む。
(取材・文 吉田太郎)
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