怪我から復調の広島皆実10番MF田中が存在感、より「ドリブル成功率」の高い選手へ
ゲキサカ / 2019年4月4日 22時10分
広島の名門・広島皆実高は、4月6日のプリンスリーグ中国開幕を前に頼もしい存在が戻ってきた。昨年末に膝の怪我を負った10番MF田中博貴(新3年)が3月に完全復帰して復調。第24回船橋招待U-18大会(3月29日~31日)では、強豪・東京Vユース相手にも中盤で存在感ある動きを見せていた。
最大の武器はシャドーの位置から繰り出すドリブルだ。船橋招待大会では前橋育英高や東京Vユースなどの強敵との戦いの連続。普段、中国地方と同じ感覚でいたらボールを取られることを実感したという田中だが、強敵相手でもある程度余裕を持ってボールを持ちながら、スペースへ潜り込んでいく動きや相手を引きつけてからのラストパス、また展開力も発揮していた。
田中は1年時から選手権を経験。2年時は全国出場こそ果たせなかったが、選手権予選決勝などで存在感のある動きを見せていた。そして今年、仲本洋平監督が「最高学年になって自信を持ってやっている」と評する10番は、広島県内や中国地方で注目されるだろう存在だ。
それでも、田中は船橋招待での自分のプレーについて、「突破の部分は自分の強みなのでチャレンジしたらところどころ抜けたりするところがあったんですけれども、判断が遅かったり、いらないミスが多かったと思います。一つのミスが失点とかピンチに繋がってしまう」と反省。高いレベルの相手でも活躍できる力を身に着け、ドリブル成功率の高い選手を目指していく。
田中が理想に挙げる選手はベルギー代表MFエデン・アザールだ。「アザール選手はドリブル成功率が高いので、自分もボールロストをしないように成功率を高くしたいなと思います」。自分の間合いに入った際には強豪相手でも簡単にボールを失わない田中だが、試合終盤になるにつれて、プレーの質が落ちてしまっているという。その課題を改善し、「成功率」のより高くすること。その上で、PA内などチャレンジが必要なシーンでは仕掛けて相手の守りを崩したり、PKを獲得する強みを発揮していく。
新人戦は田中らが怪我で不在だったこともあって、広島皆実は県16強でまさかの敗退。チームに迷惑をかけたと感じている。だが長期離脱していた田中や、MF吉原翔大主将(新3年)らが戻り、チーム状態は上向きだ。「今年一年はプレーで見せて引っ張ってやっていこうと思っています」と語る田中は、攻撃の中心としてチームを名門を牽引し、今から獲れる県、中国タイトルは全て獲得して上のステージで大暴れする。
(取材・文 吉田太郎)
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