自衛隊女子フットサル、空自入間が2年ぶり最多3回目の優勝
ゲキサカ / 2019年4月22日 18時15分
入間が女王の座に返り咲いた。第7回自衛隊女子フットサル大会は、21日にフィスコフットサルアレナとしまえんで最終日を行い、決勝戦は、航空自衛隊入間基地がPK戦の末に海上自衛隊岩国・呉・小月・江田島(以下、海自岩国と表記)を破って2年ぶり最多3回目の優勝を飾った(以下、陸上自衛隊=陸自、海上自衛隊=海自、航空自衛隊=空自と表記)。大会は、これまで駐屯地の体育館で行われていたが、初めて一般施設を使用。入場許可が不要になり、選手の家族や友人が多く応援に駆けつけた。
決勝は、激戦となった。前半を優位に進めたのは、空自入間だった。開始早々にエースの内山田摩耶(3曹・柳ヶ浦高出身)が左からのパスを受け、ターンからシュートを決めて先制。さらに内山田のドリブルでカウンターを仕掛けて右に展開すると、橋本寧々(士長・入間向陽高出身)のラストパスに沖原茉歩(士長・埼玉栄高出身)が飛び込んで追加点を獲得。前半終了間際には内山田が後方からのボールに合わせて飛び出し、前に出て来たゴレイロ(GK)をかわすボレーシュートを決めて3点目を奪った。ただし、同時に内山田が左ヒザを負傷して交代。後半は、試合展開が一変した。
3点リードの空自入間は、極端な守備戦術にシフト。パスを一切つながずにクリアのみで守備を固めたが、試合のペースを失った。連覇を狙う海自岩国は、プレッシャーを受けなくなり、パスの質が高まった。後方からの鋭い縦パスをワンタッチシュートで合わせる攻撃で反撃を開始。すぐさま、稲田唯佳(3曹・八代高専出身)の縦パスを為藤美月(3曹・大村高出身)が合わせて1点を返した。さらに高野亜希子(1尉・広島皆実高出身)の縦パスを為藤が再び合わせて2点目。後半終了間際には、稲田が中央の縦パスで守備網を切り裂き、エースの小坂玲那(3曹・吉備国際大出身)がターンシュートを決めて同点とした。
追いつかれた空自入間は、厳しい展開に追い込まれたが、同点にされてからは球際でタイトに戦い、逆転を許さなかった。ゴレイロの松田美香(士長・神埼高出身)が延長戦でもファインセーブを連発し、試合のペースを引き戻すことに成功。PK戦で相手の4人目を止め、優勝を決めた。
松田は、試合を通して好守を見せたが、後半の15分間は集中砲火を浴び続けて3失点。「勝てて良かった。後半に3点取られて負けそうだと思ってしまったけど、何とかして止めなければと思った。PKは、蹴った瞬間に前に出た。来年は無失点で連覇したい」と失点の悔しさをにじませながら、勝ち切った達成感を味わった。
同じカードで戦った前回大会の決勝は、内山田が業務のために会場を離れた影響もあり、敗れた。2得点で雪辱に貢献した内山田は「できれば、最後までコートにいたかったけど、勝てて良かった。仲間が頑張ってくれた」と苦しい展開から勝利をもぎ取ったチームメートに感謝を示した。主将を務めた林田典子(3曹・東京女子体育短大出身)も「内山田が抜けて、気持ちがぶれたけど、どうにか持ちこたえた」と安堵の表情で王座奪還を喜んだ。大会は7回目を迎えたが、いまだ連覇がない。最多3回目の優勝を果たした空自入間は、次回大会で初の連覇を狙う。
(取材・文 平野貴也)
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