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メルカリ小泉社長の告白② 「アジアを制した鹿島アントラーズにやってほしかったこと」

ゲキサカ / 2019年4月26日 20時14分

「今のソーシャルメディアの発展の仕方を見ると、みんなが他人からの『承認欲求』を追いはじめている。みんなに承認されたい、どう見られているんだろう、みたいな。それまでは可視化されなかったのに、今は『いいね』の数などでわかるようになってきた。承認欲求が満たされることに快感は覚えるんですが、一方でこれってすごく疲れるんですよ。それに、今まではアスリートを応援するツールや機会は限られていたと思うんですが、いろんなメディアが登場することによって、チャレンジしている人たちのストーリーがわかるようになってきた。そのストーリーに共感して応援できる環境が整ってきている。承認欲求はなくなりはしないけど、自分の欲求を満たすだけではなく『自分が誰々さんを応援したい』という他人の夢を叶えることで自己の満足度が高まるようなマーケットが大きくなるんじゃないかと思っています」

 小泉社長は今後、さらにテクノロジーが進化することで、スポーツ、芸術といった文化的な要素の必要性が増すと予測している。

「お金だけの豊かさを追う時代はもう終わりはじめていると思っています。戦後、『生きていくには頑張らないといけない』『稼がなきゃいけない』という発想で生活してきたと思うんですが、今の若い人たちはある程度豊かな社会で育ってきているので、『生きるコスト』が低くなっている。生き甲斐がお金を稼ぐことではなく、文化的な側面に振り向くと考えています。今後、ロボティックスやAIなどど共存していくと、週休2日制が、週休3、4日になる可能性がある。仕事を効率的にできるようになってきたとき、文化的な豊かさがないと、生きている意味を見出せなくなり、楽しくなくなりますよ。金銭的な幸せも当然あるんですけど、心の豊かさが大事になってくる。僕はよく驚かれるんですが、日々スマホを介して仕事をしているのに、雑誌が大好きなんです。あの香りや紙の質感、素材やサイズも雑誌によって違う。そこに作り手の『魂』みたいなことを感じられます。テクノロジーの進展で変わることも多いと思いますが、芸術・音楽・スポーツのような文化的な活動による豊かさの実感はテックが進めば進むほど、むしろ増大すると思っていますし、人間が全員、本質的に持っているんじゃないかと思うんです」

 プロスポーツのチームだけでなく、森美術館のスポンサーもしているメルカリは、人間の心を豊かにすることと、テクノロジーの進化は対立軸でとらえず、むしろ豊かさを醸成するために利用できる、と考えている。メルカリは世界を目指す鹿島やパラリンピック、ワールドカップを目指す障がい者アスリートたちの支援を通して、新しい文化を創るヒントを探し続ける。


(取材・文 林健太郎)
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