W杯で覚醒、頭を使って走った山田康太の270分「こういうことなのかなと感じる」
ゲキサカ / 2019年5月30日 19時21分
[U-20W杯グループB第1節 U-20日本代表 1-1 U-20エクアドル代表]
グループリーグ突破の立役者の一人として、大きなインパクトを残した。U-20日本代表MF山田康太(横浜FM)はU-20ワールドカップ本番で主力の座をつかみ、グループリーグ3試合に連続先発。エクアドル戦は後半アディショナルタイムに交代したとはいえ、ほぼフル出場。中2日の3連戦で270分プレーした。
「正直、後半10分くらいで足にきていた」という3戦目のイタリア戦も献身的なハードワークを続けた。「しんどくても相手の動きがしっかり見えているというか。試合を重ねるごとにゲームに慣れてきているのかな」。疲労は蓄積していたはずだが、経験のないような連戦の中で頭を使い、局面の判断は冴えた。
これまで代表チームではボランチを主戦場とし、昨秋のU-19アジア選手権は控えの立場だった。サイドハーフを任されたのは4月の千葉合宿で行われた練習試合。「ほぼ初めて」という位置に特別手応えを語ることはなかったが、横浜FMでも複数ポジションにチャレンジする頭脳派はその場もソツなくこなし、迎えたU-20W杯本番も両サイドハーフの位置で躍動することになった。
エクアドル戦で値千金の同点ゴール。相手の出方を読み、インサイドに入って起点となり、サイドバックの攻撃参加を促すプレーが際立った。守っては「後ろが楽になるように」というハードワークを怠らず、メキシコ戦後、センターバックのDF小林友希(神戸)は「サイドハーフが走って守備をしてくれたおかげでバランスを崩さずに守れた」と感謝した。
横浜FMで満足な出場機会を得ていたわけではなかったが、W杯という大舞台で覚醒しつつある。「気持ちもすごく高ぶるし、そういう意味では本当に、日本を代表して戦うというのはこういうことなのかなと少しずつ感じている」。チームは無敗で予選を突破。270分、頭脳と技術と走力を発揮した山田康太の存在は大きかった。
(取材・文 佐藤亜希子)
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