[MOM2890]福島工GK鷹屋善次郎(2年)_165cmの“小さなPK職人”が2連続セーブ!10年ぶりの東北大会へ導く!
ゲキサカ / 2019年6月4日 17時1分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.2 インターハイ福島県予選3位決定戦 福島工高 1-1(PK5-4)磐城高 Jヴィレッジスタジアム]
“小さなPK職人”がPK戦で主役になった。福島県予選3位と10年ぶりの東北大会出場を狙う福島工高は、1-1の延長後半終了間際に県屈指のGK熊田秀紀(3年)に代えて、身長165cmのGK鷹屋善次郎(2年)をピッチに送り出す。
熊田から「(交代時に)『頼んだぞ』と言われました。PK戦の前も『託した』と」と言葉を掛けられたという2年生GKは、相手が蹴る瞬間にやや体勢を低くしてやや助走をつけるような独特の跳躍でキッカーにプレッシャーをかける。
県内トップレベルの戦いでは、対戦相手のシュートの質も高い。鷹屋はそのシュートをしっかりはじき出すために工夫し、練習してきた対策でPK戦に臨んでいた。そのGKの前に、磐城高は2人目が枠を外して失敗。そして、決めれば勝利の決まる5人目も鷹屋にプレッシャーを掛けられた部分があったか、枠を外してしまう。
先攻の福島工は7人目が失敗。再び追い込まれたが、直後に相手のキックを鷹屋がストップする。「それまでは自分の中で、勘で跳んでいたんですけれども、我慢しようと思って相手の軸足を見て跳んだら当たりました」というビッグセーブ。すると、鷹屋は味方が成功した後に迎えた8人目のシュートも右に跳んで止めて見せる。
磐城のキッカーはそれまで3本のPKを止めていたGK小松裕(2年)だった。「ゴールキックを見ていると、キックフォームって分かりやすくなっているので、フォームを見て身体の向きを見て自分から見て右に跳びました」と鷹屋。このPKセーブで勝利が決まると、福島工イレブンは小さなGKの下へ駆け寄り、喜びを爆発させていた。
福島工の亀岡丈朗監督は鷹屋のPKでの強さを信頼。GKコーチの助言もあって2年生をピッチに送り出し、采配をズバリ当てた。先輩FW齋藤慧(3年)は鷹屋について、「チームのヒーロー。後半の最後に出てきて、ああやってシュートを止めてくれるのはチームにとって本当に大事な人ですし、ありがたいなと思います」と感謝。鷹屋は自らの活躍で出場権を勝ち取った東北大会でも活躍することを誓った。
「スタメンで出たいという気持ちがありますけれども、東北大会でもスタメンを狙いつつ、PK戦には自分は自信があるので、PK戦になったら絶対にセーブして勝ちたいと思います」と力を込めた。再びトレーニングからアピールし、PKセーブの力も磨いて活躍する機会を掴む。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2019
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