“公立の雄”大津は注目世代の次世代も強さ発揮中。チームとしてまとまり、勝ち方学んで2連覇:熊本
ゲキサカ / 2019年6月5日 21時47分
1点ビハインドで前半を終えた熊本学園大付は後半立ち上がり、MF秋口優斗(2年)が前を向いてボールに絡むなど本来のショートパスを繋ぐ形にチャレンジ。大津の寄せよりも速く、正確にボールを動かした熊本学園大付は連続でラストパスにまで持ち込んだ。
だが、その精度を欠いてゴールに結びつけることができない。この後は、普段からプレミアリーグでJクラブユース勢のパスワークに対抗している大津が、前線からの連動したプレッシングで相手を狭い局面に追い込み、インターセプト。対人での強さを見せるCB立野航海(3年)をはじめ、藤井、CB金子遼太郎(2年)、右SB本多陸也(2年)がシュートチャンスを作らせない。
ゴール前に入ってきたボールも高い安定感を見せるGK福山翔紀(3年)が難なくキャッチ。そして、攻撃面では鵜木の力強い攻め上がりや細かなパスワークから濃野の放ったシュートなどで2点目を狙う。熊本学園大付は終盤もハードワークを継続していたが、個々の技術力高い大津は不要なボールロストがほとんどなく、相手に十分な攻撃機会を与えなかった。熊本学園大付は33分にFW廣瀬蒼馬(3年)がタメをつくり、森山が左足でフィニッシュ。だが、この日のシュートは森山の枠外シュート1本に終わった。
1-0で2連覇を達成した大津の濃野は「(自分たちが)期待されていないと言ったらおかしいですけれども、あれだけ注目されていた先輩たちと自分たちも練習中、五分五分でやっていたので、自分たちも力が無いことは無いと思う。自分たちの力を信じてやっている。その結果がついて来ているかなと思います」。そして、古閑健士監督は「プレミアリーグの経験が大きいかなと思います。ディフェンスで必ずボールを持つ人のところへ行ったり、チームとしてやることがはっきりしている。(自分たちがこう戦えば結果が出るという)自信に繋がった。(チームに)一体感がありますね」と頷いた。
大津は今大会、宿舎に戻るたびに濃野を中心に話し合いを重ね、次の試合では課題を改善。飛び抜けた個がいる訳ではない今年だが、まとまりと向上心、そしてプレミアリーグという環境がチームの強さの源になっている。濃野は今後へ向けて「まずはすぐに九州大会があるので、そこに向けて九州ひとつ取ること。これまでの先輩、OBの方たちも全国制覇を期待されていると思うので、その人たちの思いも胸にしっかり全国制覇を成し遂げたいと思います」と誓った。今年、評価を覆してきた世代の“公立の雄”が沖縄で悲願の全国制覇に挑戦する。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2019
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