組織と“すっぽんディフェンス”で新人戦王者の攻撃封鎖!新鋭・創成館が悲願の全国、“下剋上”達成まであと1勝!
ゲキサカ / 2019年6月6日 22時34分
一方、鎮西学院は前半終了間際にMF松永昇磨(3年)が決定的なヘッドを放ったほか、後半から投入されたMF野口晴虹(3年)の左足シュートなどで反撃。だが、好調なFW島澤翼斗(3年)の抜け出しや186cmの大型FW平川尚樹(3年)のポストワークからチャンスを作っていた創成館が2点目を奪う。後半8分、タイミング良くPAへ抜け出した田中がPKを獲得。これを田中が自ら右足で決めてリードを広げた。
鎮西学院は相手の守りを揺さぶって打開しようとする。だが、櫻田が「(Jクラブユース勢や強豪校と戦う)プリンスリーグでは自分たちがリードしていても、自分たちで慌てて自分たちのミスで失点したりした。自分たちが勝っている状況でも最後まで気を引き締めて、失点しないということをプリンスリーグでやってきた」という創成館は後半もほとんど隙を見せない。
そして3点目を狙う創成館は、28分に左ロングスローのこぼれを繋いで石橋が右足ミドル。これは微妙な判定でオフサイドで得点とはならなかったが、その後も相手をPAに近づけなかった創成館が、2年連続での決勝進出を決めた。
近年、継続して長崎の優勝争いに加わっている創成館の今年のテーマは“下剋上”だ。昨年のように前評判が高い世代でも惜しくも全国に届かなかった経験、また今年のチームは県新人戦準々決勝で敗退した経験から、よりチャレンジャー精神を強めて今年に臨んでいる。
田中は「自分たちはまだ県を一回も獲ったことがないので、チャレンジャー精神を常に持って、“下剋上”と言っているんですけれども、『下剋上をみんなで起こしてやろう』と、そういう気持ちでやっています」。全国切符を勝ち取るまでは油断せずに挑戦者として臨むだけ。昨年、全国への道を断たれた長崎日大高とのリベンジマッチとなる決勝は、累積警告のために大黒柱の田中が不在となる。だが、そのピンチを全員で乗り越えて、新たな歴史を刻む。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2019
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