冷静フィードがV弾起点に! 鹿島GKクォン・スンテ「狙って準備していた」
ゲキサカ / 2019年6月19日 1時58分
[6.18 ACL決勝T1回戦第1戦 鹿島1-0広島 カシマ]
決勝ゴールの起点となったのはアジアをよく知る守護神のロングキックだった。「ホームで無失点で抑えたことを満足しているし、選手みんなで無失点で抑えようという意識があったので良かった」と試合を満足そうに振り返った鹿島アントラーズGKクォン・スンテは先制シーンの狙いを明かした。
前半24分、後方でボールを回す鹿島の両センターバックに対し、広島の前線2人が激しいプレッシングをかけてきたため、逃げ場は唯一最後尾に構えるクォン・スンテだけだった。しかし、チームを支える守護神は大きくボールを上空に蹴り出すと、これをセルジーニョが巧みに落とし、MF土居聖真の突破から先制ゴールが生まれた。
クォン・スンテにとって、あのロングボールはクリアではない。「相手が前からプレッシャーをかけてくるのは想定内だったので、高いボールやロングボールを狙って準備していたので、この試合で出せて良かった」。事前のスカウティングで得ていた情報を、しっかりプレーに落とし込んだ結果の判断だった。
そうした狙いにはターゲット役も理解を示す。「彼は僕が当たりに強いことを考えてフィードしてくれていると思うし、僕がボールを収められればチーム全体が押し上げられる時間ができるし、一呼吸できる。僕の特長を彼が活かそうとしてくれている」(セルジーニョ)。得点シーン以外でも、味方が競りやすい場所に落とすようなキックが目立った。
昨季のクラブ史上初制覇を含め、全北現代時代を含めればアジアの頂点に立つこと3度。経験豊富な守護神は普段こそチームメートへの苦言も辞さない立場だが、この日は「広島もすごく強く、しっかりしているチームなので、2点目を取れれば良かったけど無失点に抑えられたことが良かった」と前向きに試合を総括した。
とはいえ、この結果を活かすためには1週間後に控える第2戦だ重要なのも事実。「1-0という結果を忘れたい。相手のホームにアウェーチームとして乗り込むわけなので、そんな中ではどういう結果が出るか分からない。もっと徹底的に準備しないといけない」。チームを引き締める役割は、今後のトレーニングで発揮していく構えだ。
(取材・文 竹内達也)●ACL2019特設ページ
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