[MOM2904]日体大柏FW長崎陸(3年)_2度の劇的ゴール!交代出場の10番が千葉決勝の主役に
ゲキサカ / 2019年6月20日 5時58分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.19 インターハイ千葉県予選決勝 日体大柏高 4-3(延長)流通経済大柏高 千葉県総合スポーツセンター東総運動場]
「来たっていう感じですね。FWとして絶対に決めないと行けないし、決めたらヒーローになれる」。延長後半アディショナルタイム、日体大柏高のFW長崎陸(3年)は目の前にこぼれてきたボールにその思いがよぎったという。10番は左足でゴールに叩き込むと、「どうだ!」という表情でウィニングラン。交代出場のエースが千葉決勝でヒーローになった。
長崎は、昨年のインターハイ代表決定戦となった準決勝(対市立船橋高、当時は出場2枠)でも先発出場。だが、何もすることができず、チームも敗れている。リベンジの思いを持って今大会を目指したが、怪我によって大会序盤戦を欠場した。それでも、交代出場した専修大松戸高戦で逆転勝利に貢献すると、その後も「オレが入ったら良いスイッチになれるように」とベンチスタートの役割に徹し、決勝でも2-3の後半23分から出場した。
投入後から179cmの高さを活かして空中戦で奮闘。巧みなボールタッチも見せていた。後半36分には右クロスから決定機なヘディングシュート。1点ビハインドのまま後半アディショナルタイムに突入し、チームは追い詰められたが、ここで強引に仕掛けた長崎がPKを獲得する。
キッカーは長崎。元々得意とするPKを前日の練習で失敗した長崎は不安もあっという。それでも覚悟を決めてPKスポットに立つと、右足シュートを左隅に決めて同点。土壇場でチームを救うゴールを決めた。
そして、延長後半アディショナルタイム、右ロングスローに競った後、味方のシュートのこぼれ球に反応して劇的な決勝点。今大会4得点目となる一撃が優勝ゴールになった。33年ぶりの全国に導く大仕事。10番は「自分が決めて勝ったことが一番嬉しいです」と胸を張った。
これまでは、結果が出ない時にチームに良い雰囲気をもたらせないでいた。それだけに、酒井直樹監督は「こういう経験をできたことで成長するんじゃないか。ちょっと大人になってほしい。優しくなってほしい」。長身でテクニックも備えた万能型FWはこの活躍が殻を破るきっかけになるかもしれない。
インターハイへ向けて長崎は、「自分が点獲って優勝。ここまで来たらやるしかない」。注目集まる千葉代表の10番。全国大会でも、自分が決めて勝つ。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2019
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