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粘って、踏ん張って「強いチーム」になった西武台、埼玉奪還!

ゲキサカ / 2019年6月24日 22時54分

 ただし、聖望学園の攻撃の質は高く、そのテンポの速さと精度の前に西武台は前半からボールの取りどころを限定できていなかった。寄せに行くものの距離を詰め切れずに繋がれ、後半も聖望学園のMF西澤脩瑛(3年)に2度、3度とスルーパスを通されていた。

 聖望学園は西澤やMF菅間一輝(3年)、MF石川祐希(3年)を中心にダイレクトパスを多用しながらラストパスにまで持ち込んでいく。だが、西武台は攻守に気の利くプレーを見せ、「元々パサーだったので、(パスを読んで)消すことができる子」(守屋監督)と評価されている右SB森下怜(3年)や左SB栗田海飛(2年)が内側に絞ってクロスをクリアするなど得点を許さない。

 それでも徐々に運動量の低下した西武台に対し、聖望学園は25分、左アーリークロスにファーサイドから飛び込んだ右SB島村颯汰(3年)がゴールネットを揺らすと、28分にも10番FW塚田悠太郎(3年)の右クロスをFW森田悠仁(3年)が頭で合わせて同点に追いついた。

 湧き上がる聖望学園スタンド。だが、FW細田優陽(1年)、MF高嶋亮佑(2年)、右SB村田康平(3年)を立て続けに投入して再び前に出た西武台は失点から5分後の33分、細田が左サイドから縦に仕掛ける。この折り返しを谷が左足ダイレクトでゴールに沈めて3-2。声量多く応援を続けていた控え部員たちに歓喜をもたらした。

 聖望学園は石川のスルーパスから森田がシュートを放つなど再び反撃。だが、GK伊佐山縁心(2年)の守る西武台ゴールを破ることはできず。西武台の佐野主将は「粘り強さというのは発揮できたので、良かったです。(応援には)感謝しかないですね、応援席、佐藤や福岡、酒井が『応援でも負けねえから』と言ってやってくれたので良かった」と喜んでいた。

 近年、埼玉では昌平が台頭。最近3年間で2度もインターハイで4強入りしている。それに対し、佐野は「(自分たちは)最近忘れかけられているんじゃないかと。ここで西武台の名前を出せて嬉しいです」と西武台の名を再び全国舞台で示せることに笑顔を見せた。

 これまでの戦い同様、決勝も前半から苦しい時間帯の連続だった。それでも守屋監督が「頑張るしか無いと。踏ん張って、踏ん張って、相手よりも一歩でも多く動いて、一回でも多く声をかけて。何しろ自分たちらしさがそれだから、耐えろと」と振り返ったように、勝つために各選手が2度追い、3度追いすることを厭わず、奮戦。そして、準決勝まで不発だった谷の活躍もあって壁を乗り越えた。

 ただし、全国で勝負するためにはまだまだ力をつけていかなければならない。指揮官は「(より)読みと勇気あるアプローチ、しつこさを植え付けられたら」と語り、攻撃面のレベルアップも期待。そして、選手たちには「埼玉1位を背負っていける振る舞いや行動を」と求めていた。佐野はインターハイでの目標について、「しっかり粘り強い戦いをして昌平を越えられるように。優勝できるように頑張りたい」と宣言。埼玉の頂点を勝ち取る「強いチーム」になった西武台が、次は全国を勝ち抜くチームになるように、課題と向き合いながら日常に取り組む。

(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2019

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