柏U-18が2度リードも流経大柏追いつく。チームの特長、個性、意地見せ合った柏ダービーは2-2ドロー
ゲキサカ / 2019年7月8日 15時30分
前半43分には細谷から決定的な右クロスが入り、後半7分には前半からアグレッシブなプレーを見せていたU-18日本代表候補CB井出敬大主将(3年)が40m級の左足ミドル。優勝争いを演じる柏U-18が、多彩な攻撃で相手にプレッシャーをかけていく。だが、流経大柏も出足の良い守備が光るU-17日本代表候補CB藤井海和(2年)や左SB田村陸(2年)が対人プレーで強さを見せるなど譲らない。
0-0で進んだ試合は、後半半ばから終盤にかけて激しくスコアが動いた。後半24分、柏U-18は4分前に投入されたばかりのMF田村蒼生(2年)が自陣右サイドでボールを受けてからスーパープレー。タックルに来たDFと接触しながらも強引に前に出ると、さらにDF2人の間を抜け出し、独走する。そしてPAへのスルーパスに反応した細谷が、冷静にGKの股間へ右足シュートを流し込んだ。
だが流経大柏は27分、敵陣で中央の競り合いで交代出場FW坂田康太郎(2年)が頭で繋ぎ、このボールに反応したFW森山一斗(2年)が豪快な右足ミドルをゴールに突き刺して同点に追いつく。だが柏U-18は33分、相手のプレスを掻い潜って右ハイサイドまでボールを繋ぐと、U-18日本代表候補MF鵜木郁哉(3年)がクロス。ファーサイドの奥田が一度シュートを止められながらもこぼれ球を押し込み、2-1とした。
非常に大きな2点目。決着がついたかと思われたが、流経大柏は諦めない。サイド攻撃、セットプレーのこぼれ球などからシュート数を増加。本田監督が「絶対にシュート数で負けないように、と言っている。プレスがかかっている証拠だから」と語るように、この日、柏U-18をシュート数で上回った流経大柏が同点に追いつく。
44分、流経大柏は田村の右CKのこぼれ球に反応した坂田が右隅を破って2-2。感覚的に放ったという一撃で試合を振り出しに戻した。このあと柏U-18CB井出、流経大柏MF渡會武蔵(3年)に決定機が訪れたが、シュートはわずかに枠を外れて試合終了。好ゲームはドロー決着となった。
前期9試合を6勝1分2敗の2位で折り返した柏U-18は細谷や鵜木が普段トップチームで活動するため、試合直前にならなければメンバー構成も分からない状況。その中、山中監督は先発組でもサブに回っても、変わらない姿勢で取り組むFW中島舜(2年)やFW清水勇貴(2年)、戸田といった選手たちに「彼らがあれだけ平日の練習で頑張っている。(現在の好結果は)あのメンタリティーがあるからこそ」と感謝する。そして、細谷や鵜木もU-18チームに戻った際に誰よりも全力でチームを牽引。平日のトレーニングでやり続けていること、チームのために全力を尽くすことをしっかりとピッチで表現し、結果に結びつけている。プレミアリーグ後半戦や21日に開幕する日本クラブユース選手権の戦いにも注目だ。
一方の流経大柏はインターハイ予選で敗退したものの、プレミアリーグ再開後に行われた浦和ユース、市立船橋高、柏U-18との3試合で1勝2分。浦和ユース、柏U-18戦ではいずれも2度リードされながら追いついて勝ち点をもぎ取っている。2点差を追いつかれたり、後半終了間際の失点から逆転負けしたインターハイ予選やこの日、不用意に自陣中央のスペースを空けてしまって失点したことから学習。一つ一つ経験しながらチームは力をつけている印象だ。このあと、本田監督がアヤックス(オランダ)など欧州クラブのトレーニングを視察するプラン。指揮官が欧州で得て来る発想を加え、チームは次の柏ダービーや選手権で勝ち続ける。
(取材・文 吉田太郎)●高円宮杯プレミアリーグ2019特集
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