三ツ沢に響いた大声、憧れカズとの記念撮影…規格外の仙台大“DFW”本吉「やれることは全部やりたい」
ゲキサカ / 2019年7月11日 6時16分
[7.10 天皇杯2回戦 横浜FC2-1仙台大 ニッパツ]
Jクラブとの一戦に挑んだ仙台大の意気込みは、試合前の記念撮影からあふれ出ていた。ニッパツ三ツ沢球技場に響いた大声の主はDF本吉佑多(4年=仙台ユース)。昨季は9番を背負ってストライカーを担っていたが、今季は最終ラインへの転向を遂げている異色のフィジカル系ムードメーカーだ。
あまりに大きな叫び声のため内容はうまく聞き取れず、チームメートからは「いつもより長いな」と苦笑いも。「向こうの選手にもサポーターにも『熱いプレー見せようぜ!』ってことを言っていました(笑)」(本吉)。鍛えられた肉体、底抜けに明るい性格、そして背番号5。初見の報道陣や観衆から「槙野っぽい」という声が聞こえるのもうなずけるキャラクターだ。
もっとも“本家”同様、その気合はしっかりとチームに乗り移り、仙台大は立ち上がりから対戦相手の横浜FCを圧倒した。強度の高いプレッシングとカウンターで相手を飲み込むと、前半のシュート数は相手よりも多い5本を記録。それも大半を決定機に結びつけ、複数得点が入っていてもおかしくない展開を演じてみせた。
すると後半には、ムードメーカーの攻撃参加から先制点が生まれた。スコアレスで迎えた後半2分、本吉は果敢な攻め上がりから敵陣右サイドで相手のファウルを誘発すると、MF鯰田太陽(2年=柏U-18)が蹴り込んだFKに豪快なジャンピングヘッドで反応。そらしたボールからDF藤岡優也(4年=日体大柏高)のゴールを導いた。
「自分たちは大学生なので。ジャイアントキリングという言葉もある中で、チャレンジャーという気持ちが自分にも合っていると思っていました」(本吉)。その後は次々に主力メンバーを投入してきたJクラブに屈し、セットプレーから逆転の2点を奪われたが、堂々のパフォーマンスを見せた大学生チームには相手サポーターからも大きな拍手が贈られていた。
試合後、本吉の表情は晴れやかだった。その理由は憧れのFW三浦知良との記念撮影をしてもらうため。「ずっとカズさんスタメンで来い!って思ってました。日本全国に何十万人も対戦したい人がいて、こんなチャンスないですから」。担当広報にも事前に根回しをする用意周到っぷりで、念願のツーショットをゲットしていた。
しかし、未来に話が及べばその言葉には自然と熱が宿る。「近い目標としてはプロになってステップアップしたい」。ポジションも進路も未定。ただ、CBで出場した直近のリーグ戦ではハットトリックを記録。「FWはいつもゴールチャンスだけど、DFだと“その瞬間”しかない。得点能力は発揮できるし、見せ場だと思う」とアピールポイントを語る。
何より、新たな持ち場に楽しみを見出し始めている。「めっちゃ面白いですね、DFも。今までは『オレ、オレ!オレによこせ!』って感じだったけど、オレが守って仲間に決めてもらう責任とか、違う見せ場が多く作れるんですよね。考えようによってはめっちゃ面白いポジションになりました」と目を輝かせていた。
だからこそ、ひとまずは自らの能力に身を任せ、このまま突き進んでいくつもりだ。「CBをやっていて思ったんですけど、自分はここで勝負していきたいというのがないんですよね。やれることは全部やりたいんです」。プロ入りという唯一絶対の目標を掴むため、規格外の22歳はピッチの上で己を表現する。
(取材・文 竹内達也)●第99回天皇杯特設ページ
●[天皇杯]2回戦2日目 スコア速報
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2019シーズンJリーグ特集ページ
●第93回関東大学L特集
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「不思議な感覚」筑波大“学生監督”元柏U-18主将・戸田伊吹が敵将となって柏レイソルと対戦
ゲキサカ / 2024年7月13日 8時12分
-
柏vs筑波大 試合記録
ゲキサカ / 2024年7月12日 23時20分
-
「どこのチームにも可能性がある」 天皇杯ドロワーの那須大亮氏、3年連続実現の甲府vs鹿島に「ここはかなり見どころ」
超ワールドサッカー / 2024年7月12日 21時35分
-
柏FW細谷真大が筑波大から貫録決勝弾!得点後は喜び控え目「プロの立場で」後輩との対決には感慨
ゲキサカ / 2024年7月11日 0時24分
-
柏が後半ATの決勝ゴールで2連勝! ボレー沈めたMF戸嶋祥郎「最高でした」
ゲキサカ / 2024年7月7日 8時32分
ランキング
-
1アーチェリー野田紗月、初の五輪で12位発進…「これが五輪か!」と驚くカメラの列にも冷静
読売新聞 / 2024年7月25日 22時40分
-
2フランス、テロ計画巡り男拘束 五輪と関連不明、ベルギーでも
共同通信 / 2024年7月25日 23時2分
-
3スペインが「日本に完璧なリベンジ」 女子W杯の雪辱を母国評価「亡霊に打ち勝った」
FOOTBALL ZONE / 2024年7月26日 7時10分
-
4LAの昼空を割く“高弾道” 米実況も騒然…大谷翔平の“驚愕弾”は「いつ落ちるんだ」
Full-Count / 2024年7月26日 8時7分
-
5大谷翔平4試合ぶりの一発、日米通算250号…貴重な追加点で勝利に貢献
読売新聞 / 2024年7月26日 7時55分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)