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「ゴールはあの舞台」“激震”乗り越えた東京Vユース、恩師に見せた7発圧勝劇

ゲキサカ / 2019年7月22日 22時31分

 前半19分、FW松橋優安(3年)のパスから遠藤が左サイドを駆け上がると、折り返しにMF天満恭平(3年)がワンタッチで合わせて先制。さらに同24分、最終ラインのDF馬場 晴也(3年)を起点とした崩しで再び左サイドを遠藤が破り、クロスは鳥取GK内田大貴(3年)に阻まれたが、こぼれ球をMF石浦大雅(3年)が冷静に流し込んだ。

 なおも東京Vは止まらない。相手が左サイドを警戒してくると見るや、今度は中央のスペースを有効に支配。前半30分、右サイドでタメを作ったMF阿野真拓(1年)のクロスに松橋が左足で合わせて3点目。同34分にはDF藤田譲瑠チマ(3年)のボール奪取から中央を崩し、石浦のパスから阿野が決めて前半に4点のリードを奪った。

 前線4枚がそろい踏みをしての4得点。加えて前半シュート数8本もミッションクリアだ。しかし、選手たちは派手に喜ぶ様子を見せなかった。「昨日の仙台が3-1だったので、最低限それより多く取ろうと目指していた」(寺谷監督)。最終節、順位を争う仙台との直接対決を見越し、得失点差を意識していたようだ。

 そのため、ハーフタイムが明けても勢いを止めるつもりはなかった。積極的な選手交代の影響でカウンターを受ける回数は増えたが、その裏を突いた後半22分、阿野のパスから松橋が2点目を決めて5点差。同28分には阿野も2点目を決めると、アディショナルタイムには途中出場FW松井陽斗(3年)が華麗なワンツーから流し込み、攻め続けた試合を締めた。

 この日はトップチームの練習がオフだったため、Jリーグ初陣を劇的な逆転勝利で飾ったばかりの永井前監督も観戦に訪れていた。試合前には「全国の人たちに自分たちのサッカーを発表しよう」と普段どおりの発破をかけ、試合後には選手一人一人に細かい指導も行うなど、なおも続いている師弟関係をうかがわせた。

 これもトップチームとアカデミーが進めていくべき連携の一環。そうした繋がりは選手たちが目指す“ゴール”への意識にも大きな影響を及ぼしているようだ。

「大会に向けては勝つことが大事だし、目標は優勝だけど、ゴールはトップの試合で活躍すること。今回、永井さんが監督になって、それをより明確に描けるようになったと思う」と寺谷監督は語る。

 実際、永井監督のJリーグ初陣ではMF藤本寛也、MF森田晃樹、MF山本理仁といった教え子たちが存在感を発揮。この日は同じ高校3年生世代の山本も観戦していたが、ユースの選手たちも後に続こうという気概にあふれている。

「保坂さん(保坂信之コーチ)が『お前たちも来週はあそこに出ろと言われたら出られるチャンスがあるし、そうなった時に100%のプレーができる準備をしないといけない。ゴールはあの舞台だ』と話していた。大会ではチームとしてまとまって勝つ。ただ、ゴールはトップチームで勝つことです」(寺谷監督)。

 最終節は引き分け以下で敗退が決定。しかし、これまで永井監督が掲げてきた『圧倒して圧勝』というコンセプトを貫き、トップチームに必要とされる選手を目指している以上、その状況に不安はない。「とにかく守備に回るんじゃなく、攻撃的にどんどん行きたい」(松橋)。自信を取り戻す圧勝劇を引っさげ、東京Vユースは堂々と2日後の決戦に挑む。

(取材・文 竹内達也)●第43回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

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