気温32.2度のビッグマッチ、プレミア首位の「理由」を証明した青森山田がプラン通りの無失点勝利
ゲキサカ / 2019年7月26日 22時11分
そして、GKをかわしながら右足シュートを放ったが、青森山田はトップ下の位置から戻った武田がスーパークリア。主将のビッグプレーでピンチを逃れた青森山田は、相手MF渡邉の左足シュートをGK佐藤史騎(3年)がファインセーブするなど、ゴール前で「さすが」の堅守を見せる。
通れば1点というようなパスも数本あった。だが、青森山田の守りは最後まで崩れなかった。黒田剛監督が「凄い成長している。落ち着いてプレーしている」と評するU-17日本代表CB藤原優大(2年)をはじめ、相手のキーマンMF倉俣健(3年)を封じた右SB内田陽介(2年)、CB箱崎拓(3年)、左SB神田悠成(3年)の4バックのゴールを守ることへの執着心、ボールを奪い取る力は特に印象的。前橋育英の山田耕介監督も「最後のシュートブロックや守備が堅い。分かっていてもやり切ってくる。(セットプレーで得点を狙う攻撃含めて)徹底していると思った」と、相手の守備の堅さを認めていた。
そして、青森山田は後半30分に投入されたMFタビナス・ポール(2年)が大仕事。黒田監督が100m走日本記録保持者のサニブラウン・アブデル・ハキームの名を出してそのスピードを表現する快足MFは、アディショナルタイムに右サイドから仕掛けてCKを獲得する。そして、右CKからファーサイドの箱崎が中央へ折り返すと、タビナスが高打点ヘッド。最後はゴール方向へ向かったボールを同じく交代出場のFW田中翔太(3年)が頭で押し込んで勝利を決定づけた。
青森山田はプレミアリーグで確立してきた戦い方を最後まで貫いた。黒田監督は「ゼロで行けないような、自分たちのプラン崩れた時が一番危うい。コンディション的にも相当湿度があったり、自分でもサボりたいとか、走りたくないとか状況も出てくると思うけれども、その気持ちを一回飲み込んだものが、もう一回出てきて、さらにもう一回飲み込む覚悟をして、もう1回、その1m、2mを走ろうということでやっていた」。気温32.2度の暑さの中でも走り、守り抜いて勝利。後半終了間際でも強度の高いプレーを続けていたMF松木玖生(1年)やMF古宿理久(3年)、DFラインだけでなく、チーム全体が「高校年代最高峰のリーグ戦」で勝ち続けている「理由」を証明した青森山田が、最注目カードを制して2回戦へ駒を進めた。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2019
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