C大阪内定の桐光学園FW西川潤主将、「有言実行」の日本一
ゲキサカ / 2019年8月2日 12時25分
[8.1 総体決勝 富山一高 0-1 桐光学園高 金武町フットボールセンター]
「有言実行」の日本一だった。桐光学園高のFW西川潤主将(3年)は高校日本一を勝ち取ったことについて、「歴代の(桐光学園の)人は準優勝に終わっている。優勝ということで、桐光の歴史を塗り替えることができたので、嬉しかったですね」とコメント。自らが前線で潰れ役になる形から生まれたゴールを見届けて直後に優勝が決まると「去年の借りを返したという思いで」左手でガッツポーズし、静かに喜びを噛み締めていた。
西川は、大会開幕一週間前の練習後に「自分がいる間に優勝できれば良いと思います」と語っていた。名門・桐光学園はMF中村俊輔(現横浜FC)を擁した96年度選手権で準優勝。そして昨年のインターハイも準優勝に終わっている。中村やMF藤本淳吾(現京都)、FW小川航基(現水戸)ら偉大なOBたちでも実現できなかった日本一を彼は「自分がいる間に」勝ち取った。
昨年のインターハイでは“伝説的な”5人抜きのスーパーゴールにハットトリック。その後AFC U-16選手権MVPやJ1デビュー、U-20ワールドカップへの“飛び級出場”と同世代の高校生ではできないようなことを次々と経験してきた。今年も“得意”の夏に活躍するつもりだったが、重圧が無かった訳ではない。
「考えないようにやろうと思いながら」ピッチに立った西川。だが、昨年以上に厳しいマークの中でゴールを決めることは容易ではなかった。特に相手はドリブルをさせまいとスピードに乗る前にファウル覚悟のタックル。西川自身も「なかなか決められないな」という思いがあったという。
それでも彼は、「マークが来るのでドリブルで仕掛けてシュートまで行くことも大事ですけれども、クロスやこぼれから獲るパターンも増やしていかなければならない」とゴール前でしたたかに得点することを目指し、準々決勝、準決勝で計3ゴール。決勝でも折り返しを狙ったり、クロスからのヘディングシュートでゴールに迫った。
そして、40mの超ロングシュートを撃ち込んだり、得意のドリブルで相手DFを剥がして一気に前進したりするシーンも。力を温存しながらここぞのところでそのパワーを発揮していたレフティーは、より点取り屋としての怖さが増した印象だ。
昨年の決勝は後半アディショナルタイムに自らのシュートがGKに止められ、そこからのカウンターで失点。延長戦の末に敗れている。その悔しさを1年間持ち続けてきた。今大会開幕後、勝ち上がるたびに「どんどん気持ちが高ぶってきたり、去年敗退した思いがまた蘇ってきたりしました」。そして強い思いを持って臨んだ決勝で昨年の借りを返し、日本一に立った。
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