ちらつく2度目の“超レアケース”…山形・木山監督「何とかしたいという思い」
ゲキサカ / 2019年8月5日 17時22分
[8.4 J2第26節 大宮3-2山形 NACK]
7年前の悪夢が頭をよぎる。今季J2を首位で折り返したモンテディオ山形だったが、後半戦に入ってからの5試合で1勝4敗と大失速。今節の大宮戦(2-3)の黒星でJ1昇格プレーオフ圏内ぎりぎりの6位に後退している。
木山隆之監督体制3シーズン目の山形は開幕から勝ち点を積み重ね、第8節の東京V戦(2-1)で2012年以来7年ぶりのJ2首位に立った。その後も上位争いを続け、前半戦首位ターンに成功。最大の要因となったのは、リーグ最少となる21試合13失点の堅守だ。半分以上の11試合を無失点で終え、そのうち8試合を勝利につなげた。
しかし、後半戦はここまで全5試合で失点中。今節の大宮戦でも劣勢を強いられ、今季最多の3ゴールを許した。リーグ前半戦では苦しい時間帯でも粘り強く相手の攻撃を跳ね返して接戦をものにしてきたが、一度狂った歯車はなかなか元には戻らない。
前半4分にDF栗山直樹のゴールで先制しながら、同19分に大宮のFWロビン・シモヴィッチにCKを頭で叩き込まれて失点。同28分にもシモヴィッチに個の力でマークを剥がされ、逆転弾を奪われた。後半9分にはFW南秀仁が決めて追い上げムードを高めたものの、同27分にMF茨田陽生のスーパーシュートを浴びて勝ち越し点を献上。チームの土台となる守備が安定せず、後半戦に入ってから2度目の連敗を喫した。
木山監督は試合後、「最近課題になっているセットプレーのところでまた1つ、2つ目もおそらく崩れだったと思うので、そこを何とかしたいという思いです」とディフェンス面の課題を語っている。
チームとして大型FWシモヴィッチの対応にも手を焼いた。大宮との前回対戦(1-0)では現在チーム得点王のFWフアンマ・デルガドを連動した守備で封じたが、エースの出場停止で1トップに入ったシモヴィッチに木山監督も「上手かったですね。正直あそこを止められなかった」と脱帽。2得点を許しただけでなく巧みなポストプレーで起点を作られ、その周辺で動き回るシャドーを捕まえ切れなかったことで危険なシーンを何度も迎えた。
夏場以降の失速は今季が初めてではない。2012年シーズンもJ2前半戦を首位で折り返したが、後半戦は大きく負け越して10位フィニッシュ。J2で首位ターンに成功しながら二桁順位で昇格を逃すという極めて稀な事例を作ってしまった。
このまま2012年の悲劇を繰り返すのか、それともチームカラーの“粘り強さ”を取り戻して上位に食らいつくのか。「選手たちは今日本当に勝つために全力で努力をしたと思いますし、なかなか最近勝ちがついてきていない状況ですけど、しっかり粘り強くまた頑張って盛り返していきたいと思います」(木山監督)。山形にとって真価が問われる残りシーズンとなる。
(取材・文 阿部哲也)★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
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