前半4-0も富士市立の勢いに飲まれた終盤。静岡学園は不満の後半戦スタートに
ゲキサカ / 2019年8月26日 8時55分
一方、静岡学園は交代出場の選手が上手く試合に入れなかったこともあって後手後手に。対する富士市立は、アディショナルタイムにもMF仲澤俊輔(3年)の左クロスを座本が左足ダイレクトで決めて1点差とした。会場をどよめかせた富士市立の猛反撃。センターサークルまでダッシュで戻って試合を再開させた富士市立は、ラストプレーでもチャンスを作る。だが、後藤の左クロスを座本が合わせた一撃はゴール右へ外れて試合終了。前半の攻勢から一変、静岡学園は薄氷を踏む思いでの勝ち点3獲得となった。
インターハイ出場を逃している静岡学園はこの日、川口修監督が「夏ずっとやってきょうの先発が(現時点での)ベストメンバー」というメンバー構成。正確性を武器にBチームの控えから這い上がってきた草柳や1年生SB清水和馬らが先発した。川口監督は前半について、「入りは相手がちょっとバラバラだったというのもあったし、前半はそこで背後取って点が取れていたから、崩し方とか非常に良かったけれど……」と評価したが、崩れた後半については技術面以前の問題を指摘する。
「今年のチームの課題はメンタル面」。確かに前半で4点をリードしたことで気が緩んでしまった部分はあるかもしれない。それでも、大量リードを奪いながら相手の足を止めるくらいに畳み掛けることができず、試合終盤は富士市立の勢いに飲まれてしまっていた。阿部やCB中谷颯辰(3年)が後方から声を出して鼓舞していたものの、苦しい時間帯に技術力やエネルギーを表現できた選手が少なかった印象だ。
選手層は全国トップクラス。例年、Bチームから選手権時期に急激に伸びてくる選手もいるだけに楽しみもあるが、危うさもある。チームリーダーの阿部は「選手権もあと1か月くらいで始まってしまうので、上手くプリンスリーグを使いながら、チームの良さをもっと磨いて、改善するべきところは改善して、ベストな状態で選手権に望めるように。また選手権で頂点獲れるように全国で日本一を獲れるように良い準備をしていきたいと思います」。後半に失速し、相手に良さを出させてしまったこの日の試合から改善して次へ。どんな相手でも翻弄、圧倒するような技術力と判断力、ファイティングスピリットを身に着けて名門は“魅せて勝つ”。
(取材・文 吉田太郎)●高円宮杯プリンスリーグ2019特集
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