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終盤怒涛の3ゴール!プリンスリーグ東海初参戦の富士市立、攻め合いで静学苦しめる

ゲキサカ / 2019年8月28日 16時16分

富士市立高の中盤で存在感を示したMF勝亦健太

[8.24 プリンスリーグ東海第11節 静岡学園高 4-3 富士市立高 清水総合]

 1点差で敗れたものの、プリンスリーグ東海に初参戦している富士市立高の攻撃は見事だった。怪我や出場停止によって主力数人を欠いて臨んだ試合の前半は浅くなりすぎていたDFラインの背後を突かれる形で大量4失点。だが、磨いてきたドリブル、ショートパスでチャレンジする姿勢を見せ、決定機も作り出していた富士市立は後半に猛追する。

「自分が前を向いた時のプレー、ゴール前での前向いてドリブルシュートパスが自分の強みだと思います」というエースMF勝亦健太(3年)や中盤、最終ラインでも力を発揮するというMF芦澤陸(3年)、交代出場のFW座本柊音(2年)がゆったりとしたドリブルや連動した動きからチャンスを作り出す。

 対戦した“元祖・技巧派軍団”静岡学園の井田勝通前監督が「ボールの持ち方が全然良いな。ウチより学園ぽいな」と称賛していたように、プレッシャーをかけてくる相手をゆっくりと外しながら前進。そして後半35分、相手のミスを突く形から、怪我明けで交代出場の静岡県選抜候補FW進藤克樹(3年)が右足でゴールを破る。

 さらに38分には右サイドでのインターセプトから進藤が連続ゴール。その後もFW後藤駿介(3年)の仕掛けなどから決定機を作り出すと、アディショナルタイムにもMF仲澤俊輔(3年)の左クロスを座本が左足ダイレクトで合わせて1点差とした。ラストプレーで後藤の左クロスから座本が放ったヘディングシュートが枠を外れて3-4で敗戦。それでも名門・静岡学園を十分に苦しめて見せた。

 旧吉原商高時代から指揮を執り、国体静岡県選抜の監督も務めた経歴を持つ杉山秀幸監督は「攻撃的なチームだからああいう展開に持ち込めるように、失点しないようにしておけばチャンスはあると思います。コイツら後半みたいな感じでできると思っていると思うんですよ。でも、失点がね。4失点しても気にしないというのがいいところかもしれないですけれど」と微笑む。

 この日は後半にGK山下翔大(3年)が好守を見せるなど守備陣も奮闘していたが、本来はこの日出場停止だった長身GK船山蒼太(3年)や元日本代表の“レジェンド”杉山隆一氏を祖父に持つという身体能力高いCB杉山朋哉(3年)、前への力強さのあるMF望月太陽(3年)も加わるという。他にもMF熊谷武虎(2年)ら各ポジションにボールを持つ力のある選手を擁し、テクニックに特化したスタイルなど今後が楽しみなチームだ。
 
 創部以来初となるプリンスリーグでの戦いについて勝亦は「前期でそこそこやれた感じはあるんですけれども、下位のチームに苦戦している。気持ちのところで後期はもっと締めていかないといけない」と引き締めた。前期は首位・JFAアカデミー福島U-18や静岡学園とドロ―。手応えがあるだけに、より安定した戦いを目指す考えだ。

 プリンスリーグに参入したことでインパクトを残しているが、より多くの人の目に触れられるようになるためには選手権に出場することが必要。杉山監督はここから選手権へ向けて求める部分について「細かいところですね。ちょっとしたミスとか、ポジショニングとか一瞬遅れたとかで勝負が決まってしまう」。この日、静岡学園相手に堂々の撃ち合いを演じた公立校、富士市立が今秋、静岡や全国を驚かす。

(取材・文 吉田太郎)●高円宮杯プリンスリーグ2019特集

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