[MOM633]明治大DF中村帆高(4年)_生まれた責任感、FC東京は「挑戦しない理由がない」
ゲキサカ / 2019年9月4日 17時0分
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.3 総理大臣杯準々決勝 明治大1-0順天堂大 ヤンマースタジアム長居]
明治大の決勝点を奪ったのは、MF中村帆高(4年=日大藤沢高)だった。前半41分、DF常本佳吾(3年=横浜FMユース)から出たボールを胸で受けると、左足から強烈な一撃。5年連続となるベスト4に導く得点を決めた。
今季はチームのシステム変更により、昨年のSBより一列高い右WBでプレーしている。ゴールへの距離が近くなったこともあり、得点への意識は高まっているという。昨年はなかったリーグ戦のゴールは、前期だけですでに2。そしてこの日もゴール前でストライカーばりの落ち着きをみせて、ゴールネットを揺らしてみせた。
8月29日にFC東京が、中村帆の来季入団内定を発表。つまり明大の先輩である室屋成、年下には同姓の中村拓海と同ポジションに日本屈指のプレーヤーがいる中に飛び込む決意をしたということになる。
ただこれについては「挑戦しない理由がなかった」と強い気持ちで臨む覚悟をすでに決めている。「室屋成くんは大学1年生の時からの憧れの選手。確かに壁は高いかもしれないけど、こんな素晴らしい機会はないだろうと思った。室屋くんのすべてを吸収して、それを自分のものにして、脅かせるくらいの存在になていきたい」と力強く話す。
「入団内定のリリースが出てから、もう何か背負うものがあると思っている。ピッチ内はもちろんですけど、一つ一つの言動、行動を、明治大の選手ですが、一人のFC東京の選手としてやっていかないといけない。責任感が生まれたと思います」
これで明大は5年連続の決勝進出に王手をかけたことになる。中村帆自身も「プレッシャーがないわけではない」と心情を吐露するも、関東リーグの前期で歴代最多勝ち点を記録するなど結果を残していることで、「自分たちのサッカー、やってきたことは間違いないと信じている」と自信を持って臨めているとも話す。
昨年もピッチで優勝を経験している中村帆だが、4年生の引っ張ってもらったという思いが強いという。今年は自分が中心になって頂点に立ちたいという気持ちを強めている。
「去年の決勝もずっと攻められていて苦しかったんですけど、先輩たちの背中を見たら元気出ました。4年生は背中でみせるもの。自分もその思いでやっている。親とかいろんな人のためにやっていると思うけど、その一つとして後輩にいい思いをさせてあげたいと思っています」
日々成長を求める22歳は、悔いなく大学生活を全うした上で、来春から新たなステージに飛び込む。
(取材・文 児玉幸洋)●第43回総理大臣杯特集
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