残るタイトルはあと1つ…“序列”を否定した横浜FM喜田「これで崩れるほどヤワじゃない」
ゲキサカ / 2019年9月26日 0時45分
[9.25 天皇杯4回戦 鹿島4-1横浜FM カシマ]
1か月半前の教訓は活かしたものの、栄冠への道のりは遠かった。横浜F・マリノスMF喜田拓也は唯一残されたタイトルであるJ1リーグ戦に向けて「悔しいけどこれが今の自分たちの力。忘れる必要はないし、悔しさを持ってみんなで前に進んでいきたい」と意気込みを語った。
横浜FMがカシマサッカースタジアムに乗り込むのは8月10日に行われたJ1第22節以来。前回対戦はマイボールのキックオフで始まったものの、すぐに相手のプレッシャーを受けてボールを奪われ、開始20秒で失点したことが敗戦に大きく響いた。だが、この日は立ち上がりからアグレッシブな攻勢で相手をのみ込んだ。
「立ち上がりは完全にうちのペースだったと思うので、そこで一つ仕留められればという気持ちで入った。リーグは数秒でやられたので教訓も活かしながら、いろんなことを想定して試合に入った中でいい形をつくれた」(喜田)。
ところが、FW山谷侑士やMF中川風希といったリーグ戦で出場機会の少ない選手たちは立て続けに訪れたチャンスを決めることができず。すると前半13分、相手の最初の決定機となったミドルパス一本から失点。ここでもDF伊藤槙人、GK杉本大地といった主力メンバーではない選手のギャップを突かれた形だった。
「自分たち次第で防ぎようはあったと思うし、お手上げ状態というより自分たちで苦しめたというところがあった。その辺はまだ質が足りない、向上の余地があると思う」。試合後、序盤の攻防をそう振り返った喜田。だが、そこにある「質」とは“主力組”や“サブ組”といった序列によるものではないと捉えている。
「事実としてはリーグの出場時間が短い選手が今日はいたけど、それで負けたって思われるのは本当に癪で。やっぱり鹿島が相手で、世のイメージでは常勝軍団で伝統があって、なんとなく鹿島が勝つんだと思われるのは自然のこと。自分たちはそこまで認められていないのを受け入れながら、ハングリーな精神を持ってそれを覆していきたいと臨んだ」
「自分たちはスタメン組とか、サブ組とかまったく思っていなくて、今日勝つための11人をボス(アンジェ・ポステコグルー監督)が選んでピッチに送り出してくれたと思うので、ピッチに立ったからにはその期待に応えるべきだった。結果が出なければ『ああ、やっぱりね』と思われてもしょうがないけど」。
だからこそ「悔しいけどこれで崩れるほど自分たちが積み上げてきたものはヤワじゃない」と素直に前を向く。ルヴァン杯でも敗退しているため、残るタイトルはJ1リーグのみ。首位・FC東京を勝ち点4差で追う中、喜田は次節・仙台戦に出場停止と厳しい戦いが続くが、「出れないけど関係ない。勝つために全員の力が必要」と共に戦う覚悟を見せた。
(取材・文 竹内達也)●第99回天皇杯特設ページ
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