大会目前に左膝負傷、やり切った選手宣誓の大役…高川学園の奥野奨太主将「すがすがしい気持ちでいっぱい」
ゲキサカ / 2021年12月28日 16時10分
第100回全国高校サッカー選手権大会が28日、開幕した。新国立競技場で初めて行われた開会式では、高川学園高(山口)のDF奥野奨太主将が選手宣誓。自身は大会直前の負傷でピッチに立つことはできないが、約3分40秒にわたって力強いスピーチを行い、節目の記念大会での重責を見事に果たした。
11月15日に行われた組み合わせ抽選会で決まった大役。当日は「できれば当たってほしくはなかったです。本当に重要な立場なので、とても責任を感じています」と緊張した面持ちで心境を語っていた奥野だったが、全国から注目が集まる大舞台でハツラツとした宣誓を披露した。
「私たち、代表48校は全国各地からこの高校サッカーの新たな聖地、新国立競技場に初めて集えたことに大変感激しています。新型コロナ感染症により、当たり前だった日常が当たり前ではなくなり、楽しみにしていたさまざまな学校行事が中止となりました。満足にサッカーができない日々が続き、何度も心が折れそうになりました。東京オリンピック、パラリンピックは一年延期となり、無観客での開催を余儀なくされました。また各種全国大会でも大観衆の熱戦に励まされ、繰り広げられたものが無観客が日常となり、中止ともなりました。
しかし、全国でワクチン接種が進み、感染状況が落ち着いてきたところから、今日この聖地に私たちは立つことができました。これも大きなリスクを抱えながら日々、新型コロナ感染症と戦い続けてくださっている全国の医療従事者の皆様のおかげです。記念すべき100回大会、先輩方から受け継いだバトンを後輩たちへつなぎ、明日へ、そして未来へ、全ての選手とともにアフターコロナ、新時代を切り開くゴールを決めるため、全てのプレーに正々堂々、全身全霊を尽くし、日本サッカー界の伝統に、選手権の歴史に、新たな1ページを書き記すことをここに誓います。
令和3年12月28日 山口県代表、高川学園高等学校サッカー部主将奥野奨太」
一度は緊張で言葉が詰まる場面もあったが、「このまま終わってしまったらこれからの人生でも悔いが残る」としっかりリカバリーに成功。最後の最後まで力強い言葉で重責を務め上げた。
宣誓後のオンライン取材対応では「完璧に宣誓を終えることはできなかったので悔しい気持ちもあるが、やり切れたのでよかった」とホッとした様子。「選手宣誓という責任ある立場を任されて、自分ができるか不安だったけど、こうしてやり終えて、すごくいい経験ですし、貴重なこと。すがすがしい気持ちでいっぱいです」と笑顔も見せた。
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