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「本当にマジメにコツコツやってくれる」3年生が示した基準。北海は全国で勝てるチームへの進化を期す

ゲキサカ / 2021年12月29日 23時20分

 後半14分。7番を背負った川崎が、ピッチサイドに現れる。「啓史もコンディションを戻すために一生懸命努力を続けましたし、スタートで練習試合も試してきたんですけど、正直コンディションが良い形まで戻ってこなかったので、時間は限られているなという感じでした」とは島谷監督。スタメン復帰には至らなかったが、仲間の想いに応え、リハビリを重ねてここまで辿り着いた川崎は、20分に機転の利いたスローインでチャンスを作り出すと、23分にも丁寧なクロスで佐々木魁士のフィニッシュを演出。与えられた時間の中で確かな存在感を発揮した。

 伊藤の言葉はそのままチームの声を代弁している。「啓史とこういう大きな舞台で一緒にプレーすることができて嬉しかったんですけど、やっぱり勝って一緒に喜ぶというのが目標だったので、そこは凄く悔しいです」。彼らが改めて共有していた目標は、『啓史と全国で勝利を』に変わっていた。そこに届かなかった悔しさは残ったはずだが、それでも新たな目標を再設定できる状況を作り出したのも彼ら自身。そのことは大いに誇っていいだろう。

「高校サッカーを通して、サッカー面というより人間性の部分で凄く成長できたところがあったと思うので、それぞれ大学に行ったり、就職するメンバーがいますけど、それぞれの場所で学んだことを生かしていきたいなと思います」。この経験を今後にどう生かしていきたいかと問われた伊藤は、きっぱりとこう語りながら、後輩たちにもエールを送った。

「ピッチに出ていた1,2年生や、メンバーに入っていた1,2年生は、どういう“基準”でやらないと全国で勝てないのかということをしっかり新チームになって落とし込んでいって、次は全国で勝つチーム作りをしていってもらいたいなと思っています」。

 島谷監督が伊藤と同様の感想を抱いていることも興味深い。「今回の大会を通して、全国を戦うための“基準”というものが1年生、2年生は分かったと思うので、北海道のレベルではなくて、『全国で本当に勝つんだ』という気持ちで、この“基準”を持ち返って、練習に取り組んでいきたいと思います」。

「本当にマジメにコツコツやってくれる選手たち」と指揮官も評する3年生が示してくれた“基準”を刻み込み、北海の選手たちはこれからも粘り強く、真摯に、サッカーと向き合っていくに違いない。

(取材・文 土屋雅史)
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