[横山杯]名門・市立船橋は鍛錬の冬を経て「市船の基準」「自立」を表現する個・チームへ
ゲキサカ / 2021年12月30日 22時3分
選手権優勝5回、インターハイ優勝9回の名門は、第100回選手権開幕の裏側で巻き返しのシーズンへ向けた鍛錬の日々を過ごしている。市立船橋高(千葉)は複数のチームを編成し、フェスティバルに出場。「YOKOYAMA MEMORIAL CUP2021」(25日~27日)のトップトーナメントでは準々決勝で鹿島学園高(茨城)にPK戦の末に敗れるなど7位に終わった。
大会初日に波多秀吾監督が選手たちに伝えたのは「もう一回、しっかりベースを作ろう」ということだ。新型コロナウイルスの影響は、名門校にとっても大。特に関東地方は感染者数が多かったこともあって、この2年間は活動がかなり制限された。
市立船橋は日々の練習によって「球際」「切り替え」「運動量」の3原則を構築するチーム。練習や合宿が不足する中でも最善の取り組みをしたが、目指す基準まで自分たちを鍛え上げることができたとは言い難い。だからこそ、全員で意識して「市船の“真”の基準」をピッチで表現できるようになること。下級生でプレミアリーグや選手権予選決勝などを経験した選手を中心にこれまで以上の高い意識を持って質と量を向上させていく。
21年のプレミアリーグEASTは、最終節でU-16日本代表候補MF郡司璃来(1年)の圧巻のハットトリックによって9位残留。だが、インターハイ予選は準々決勝で習志野高に0-1、選手権予選決勝は宿敵・流通経済大柏高相手に郡司のゴールで先制したが、逆転負けを喫して3連覇を阻まれた。
新チームはスタートしたばかり。プレミアリーグや選手権予選の戦いを経験してきたGKドゥーリー大河(2年)はチームの雰囲気について、「選手権出ていた自分としても絶対に負けたくないという気持ちがありますし、それを見ていた選手たちも自分たちの代がやっと回ってきたということで団結力というか、全員が『やろう』という気持ちが強いと思います」と説明する。
「球際」「切り替え」「運動量」は、もっともっと求めていく。「一人目行けてもセカンドボールの回収が甘いというのがずっと課題だったので、完全に前、相手の陣地でボールを獲れるようになったらもっと強くなると思います」(ドゥーリー)。そして、自立する個・チームになることも市船の目標だ。
ドゥーリーは、「一回決められてもう一回決められたり、試合の最初と終わりに決められるシーンが多かったので、(失点したら)一回話し合うとか、『自分たちで何とかする』こと。(波多)監督がこの前、『自立する選手になれ』と言っていたんですけれども、自立する選手にならないと改善されないと思うので、全員が自立して、一回やられてももう一回やり直せるというチームになったら強いと思います」。プレミアリーグ開幕へ向けて「市船の基準」「自立」を表現できる選手・チームになる。そして、22年はプレミアリーグで上位を争い、インターハイ、選手権の全国タイトル奪還へ。悔しさを持って冬を過ごす名門は必ず巻き返し、復権を果たす。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
全国ユース招待サッカー大会~YOKOYAMA MEMORIAL CUP2021~ 大会特設ページ
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