大敗を喫するも貫いた諦めない姿勢…奈良育英MF千田陽介「応援してくれた人に戦う気持ちは見せられた」
ゲキサカ / 2022年1月1日 4時34分
[12.31 選手権2回戦 奈良育英高 0-8 阪南大高 西が丘]
10年ぶりに選手権の舞台に立つ奈良育英高(奈良)の戦いは、2回戦で終わりを告げた。スコアを見れば0-8と、大差をつけられての敗戦となったが、「前半20分間は優位に立てていた」と主将のMF千田陽介(3年)は指摘。阪南大高(大阪)のボールホルダーに積極的にプレッシャーをかけていた。先制点を許した場面では、人数は揃っていたがあっさりとサイドを攻略されてしまった。「相手の勢いが勝った」。千田が指摘したように、先制点を皮切りに阪南大高のゴールラッシュがはじまった。
「80分を通してピッチに立っている全員が走りきってくれた。応援してくれた人に戦う気持ちは見せられたと思います」と千田。大差がついた中でも、最後までゴールを目指し続けた。「最後まで走り切る、やり切るのは示してくれた」と梶村卓監督は選手をねぎらった。
11月に行われたプリンスリーグ関西プレーオフ、奈良育英は決定戦で大阪学院大高(大阪)と対戦し、0-9の大敗を喫した。そこからチームを一からやり直し、選手権に臨んでいたというが、「トレーニングマッチやプリンスリーグで感じていた差だった。そこをうめきることができなかった」と再び大阪勢に立ちはだかれた。「チャンスをつくりかけても、冷静に対処される。1枚も、2枚も、3枚も上手だった」。梶村監督は力の差を素直に認める。
試合後、梶村は「奈良県代表としての誇り、まわりの人に感謝をしめす、そういうところはできたから、胸をはって帰ろう」と選手たちに言葉を贈ったという。
千田主将は、就任1年目で選手権に導いた指揮官に対し、「奈良県のレベルではなくて、全国で戦える基準を示していただいた。自分たちもそこについていこうとした。監督が伝えてくださったから、10年ぶりに全国に出られたと思う」と感謝の言葉を並べる。
「来年もっと勝ち上がっていけるように」。キャプテンは後輩たちに、夢をたくした。
(取材・文 奥山典幸)
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