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“囮”グルグル、4連トレイン、6人大回転…妙技連発の高川学園、ラストCKで劇的8強入り!! 相手もお手上げ「対策していたが…」

ゲキサカ / 2022年1月2日 20時12分

 後半18分、ようやく仙台育英にビッグチャンス。右サイドを攻め上がった安藤がクロスを上げると、ゴール前に入っていた島野が強烈なヘディングシュートで枠内を襲った。ところがここで徳若がスーパーセーブ。左足一本でボールの勢いを殺した高川学園の守護神が絶体絶命の大ピンチを阻んだ。

 仙台育英は後半22分、途中出場のMF明石海月(3年)が左サイドからゴールに向かうクロスを送り込むも、またしても徳若がビッグセーブ。徳若は直後のセットプレーでも完璧なパンチングでピンチを回避し、劣勢のチームを何度も救った。

 すると高川学園は徐々に前に出られるようになり、お家芸のセットプレーを連発。後半34分の右CKでは、エリア内にバランスよく配置する普通の布陣でリスタートし、ファーから飛び込んだDF岡楓太(2年)が高い打点のヘディングシュートを放った。だが、これは枠外。同39分の右CKでは、4人が縦列に肩を組むトレイン布陣を取ったが、シュートにはつなげられなかった。

 それでも後半終了間際、高川学園はやはりセットプレーから試合を決めた。アディショナルタイム2分の右CKでは、過去最多6人で手をつなぐ“トルメンタ”を敢行。山崎のキックはGK落合孝昭(2年)に弾かれるも、これが左CKにつながった。そして今度はオーソドックスな陣形で再開。山崎のキックはニアで相手DFに触れられたが、浮き上がったこぼれ球に反応した西澤が左足を振り抜き、見事なボレーシュートを突き刺した。

 手を変え品を変え、さまざまな妙技を繰り出した末にラストプレーで奪った決勝弾。最後はトリックプレーではなかったが、ここにもドラマがあった。ゴールは後半40分に投入されたばかりの西澤のファーストタッチ。「1回戦、2回戦とも結果を出せていなかったが、それでも何かやってくれるという思いがあった」という江本孝監督の予感を込めて投入された背番号14の大仕事だった。

 西澤は昨年度の山口県大会決勝の西京高戦(○1-0)でも、後半アディショナルタイムに全国出場を決める決勝ゴールを記録。指揮官は「彼は決定力があるし、1年生から得点を取っていた。県の決勝戦でもロスタイムに点をとっていたので、そのシーンが頭をよぎった。ラストで使ってみたら決めてくれると思って出場させた」と“持ってる男”の活躍を称えた。

 また高川学園はこの日、もう一つのドラマを胸に試合に臨んでいた。それはちょうど2年前の「リベンジ」だ。昨季の全国選手権2回戦、高川学園は仙台育英に0-1で敗れて大会を去っていたが、奇しくも同じ1月2日で、会場は同じ等々力陸上競技場で、キックオフ時刻も同じ14時10分だった。選手たちは2年越しの再戦に向けて「同じ日、同じ時間、同じ場所、同じ相手で負けるわけにはいかない」(江本監督)とモチベーションを高めていたのだという。

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