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順調ではなかった1年間の総決算。阪南大高を率いる指揮官が実感したチームの変化と自身の変化

ゲキサカ / 2022年1月3日 12時0分

 キャプテンを務めた鈴木が「大阪二冠できたんですけど、チームとしてまさかここまで来られるとは、たぶん誰も思っていなかったと思います」と口にしたように、インターハイ予選と選手権予選の大阪王者も、夏前には公式戦で勝てない時期が続き、チームは自信を失い掛けていた。

 挑んだインターハイの本選では、不戦勝となった初戦を経て、2回戦は後半のアディショナルタイムに追い付かれ、辛くもPK戦で勝利。大一番となった3回戦の神村学園高(大阪)戦は、3点をリードされる展開に。最後まで粘ったものの、3-4で逃げ切られ、全国での経験も確かな自信を得るまでには至らない。

 普段から温厚な指揮官も、試合中にピッチへ檄を飛ばす回数が格段に増えた。この日も「問題ない!良いサッカーはできているぞ!」「前に行ってみろ!」と大声で選手たちを鼓舞するシーンが。本来チームが持っている良さを信じ、さまざまなことに取り組み、彼らの潜在能力を引き出そうと腐心してきた。

 だからこそ、敗れてはしまったが、戦う姿勢を最後まで見せた教え子たちの変化した姿が、嬉しかった。「夏までは本当に方向性が見えない中でのチーム作りだったので、ああいう結果になったインターハイと今日の試合とは、全く内容が違う結果だったと思います。戦いぶりとしては、しっかりと力強くサッカーができたんじゃないかなと感じますし、成長したんじゃないかなと思います」。濵田監督はきっぱりと言い切った。

 鈴木もようやく最後にまとまりを見せた自らのチームに、改めて感謝の想いを口にする。「1人1人に強い気持ちやプライドがあって、ケンカすることもあったんですけど、それがあったから、こうやってお互いに言い合えることができて、強くなっていったと思いますし、このチームでなければ僕もプロというステージには行けなかったと思うので、本当にこの仲間たちに感謝しないといけないですし、この感謝を次のステージでの活躍で恩返ししたいです」。

 ある意味で今までとは“キャラ変”した濵田監督から、最後に本音が漏れる。「かなり疲れました(笑)。僕がキャプテンマークを巻きたいぐらいの気持ちでやった年だったと思います」。

 6年ぶりに戦った冬の全国で得た初勝利の感慨と、敗北の悔しさと。選手思いの指揮官に率いられ、新たな歴史の扉を開いた阪南大高の挑戦は、これからも間違いなく未来へと連なっていく。

(取材・文 土屋雅史)
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