[女子選手権]16大会ぶり3度目優勝の神村学園、「下手でも勝てる」ことを夏・冬の2冠達成で証明!!
ゲキサカ / 2022年1月9日 18時58分
テクニカルな日ノ本学園にもチャンスはあった。しかし村上裕子監督曰く「パス1本の精度、1対1の勝負の仕掛けなど、思った通りにプレーできなかった。ハーフタイムに修正したつもりでしたが、神村学園さんの試合運びは予測できたが、それ以上に中盤のプレスが強かった」と振り返る。先制点を追う形になった日ノ本学園の反撃を変わらぬ運動量で凌ぎ続ける神村学園は40分にキャプテンのMF愛川陽菜(3年)がスルーパスに反応し追加点、アディショナルタイムにも右サイドからのボールに対し、1年生にして得点王争いに絡んでいたMF三冨りりか(1年)が豪快ボレーを決めて勝負あり。最終スコアは3-0となった。
この大会がまだ夏季に静岡・磐田で行われていた2005年の14回大会以来の優勝となった神村学園。昨夏の総体との夏・冬2冠に関して、寺師監督は「できすぎの1年」と振り返る。「夏もそうでしたが、“優勝を狙う”というより目の前の1試合1試合力を出し切るというのが選手の口癖でした。最後までよく走り切ってくれたと思います」と選手を労う。
神村学園の愛川キャプテンは「2年前に決勝で負けた時、最後に負けたら意味がないと痛感した。最後に勝ち切っていい状態でチームを終えたいと。下手でも勝てるという寺師先生のサッカー観を全国に見せることができたことが嬉しい」と謙虚な姿勢で語れば、日ノ本学園の箕輪キャプテンは「神村さんの守備は最後まで粘り強く、自分たちの課題であった最後の質という部分がよりはっきりわかった試合になった」と冷静に語る。両チームのキャプテンはこの春からWEリーグのINAC神戸でともにプレーすることが決まっている。
第30回と節目となった今大会。これまで心技体・戦術などを進化させながら紡がれてきた歴史は、未来の女子サッカーを担う人材が育ち、巣立って行く特別な場としてこれからも独自の進化を続けていく。
(取材協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 伊藤亮)
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