被シュートゼロは守備陣の勲章。青森山田GK沼田晃季がイメージし続けた「1本のビッグセーブ」
ゲキサカ / 2022年1月11日 22時25分
本人は「ビッグセーブかどうかは分からないですけど」とは口にしたものの、失点を許していれば1点差に迫られたシーン。結果的に国立競技場のピッチで唯一となった決定的なピンチでのセーブは、日頃から怠らなかった沼田の準備が生きたワンシーンだったことは間違いない。
決勝の後半アディショナルタイム。ゴールキックを蹴る前に、「これで終わりかな」と感じていたという。高く、遠くまで蹴ったボールがピッチへと帰ってくる前に、主審のホイッスルが国立の空へ吸い込まれる。5試合で失点はわずかに2。準決勝と決勝では一度もゴールを破られることなく、守護神はチームメイトと日本一の歓喜を分かち合った。
試合後。3年という時間をともに過ごしてきたGK鈴木尋(3年)と、ハイタッチを交わす。「この青森に来てからの3年間は、カテゴリーは違っても切磋琢磨しながらやってきたチームメイトなので、そこはこれからも『絶対に負けられない』という想いもありますし、同じピッチに立つことがあるなら、それはより光栄なことですし、お互い頑張っていきたいなと思います」。
高校卒業後は、それぞれ別々の道を歩み出す。青山学院大学へと進学する沼田は、「大学に行ってからも、常に自分に対する厳しい目を持って、いろいろなことにチャレンジしたいという想いが今はあります」とこれからの未来に想いを馳せる。もし対戦相手として鈴木と再会する日が来たら、それはもちろん最高だ。
(写真協力=『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 土屋雅史)
(※青森山田高の協力により、リモート取材をさせて頂いています)●【特設】高校選手権2021
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