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ファーストゴールとラストゴールはこのストライカー。青森山田FW渡邊星来は誰よりも輝く一番星に

ゲキサカ / 2022年1月12日 12時13分

 改めて自信を纏い直し、挑んだ最後の選手権。先制点を許すなど苦戦を強いられた準々決勝の東山高(京都)戦で、自身にとって大会初ゴールとなる逆転弾を叩き出し、チームを勝利に導いた渡邊は、もちろん大津高(熊本)とのファイナルもスタメンリストに名前を書き込まれる。

 3-0で迎えた後半33分。これがラストチャンスだということは、分かっていた。「最初に交代の番号が見えて、『ああ、もう高校サッカー終わったな』と思ったんですけど、なかなかボールが外に出なかったんですよね」。左サイドでボールを持ったMF小野暉(3年)がクロスを上げる。夢中で飛び込んだ自分の頭が、正確にボールを捉える。

「自分のところにボールが来たので、死ぬ気で合わせに行きました。凄く嬉しかったです」。お得意の“クリロナ”ポーズも大成功。「アレはすごく気持ち良かったです。みんなにもバレない程度に、軽く声を出すぐらいの感じでお願いしていました(笑)」。応援団が陣取るスタンドも一体となった渡邊の一撃が、2021年度の青森山田にとってのラストゴール。日本一の光景は、とにかく最高だった。

 この春からは、東海社会人リーグ1部に所属しているFC刈谷でプレーすることが内定している。「ここからは自分との勝負だと思いますし、浮き沈みなく、一番良い状態で試合に向けていけば、どんどん上に上がっていけると思うので、頑張っていきたいです」。この1年を経験したからこそ、自信を持って新たな世界に飛び込んでいける。その笑顔と得点感覚は、どんなステージでも大きな武器になるはずだ。

「星に願いを込めれば、願ったものが来る」という由来から、母親が付けてくれたという『星来=せら』という名前のように、これからも渡邊は周囲から願いを込められるような、誰よりも輝く一番星を目指して、大好きなサッカーと一緒に生きていく。

(写真協力=『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 土屋雅史)

(※青森山田高の協力により、リモート取材をさせて頂いています)●【特設】高校選手権2021
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