[MOM3764]尚志DF山田一景(2年)_ “大きな壁”の陰で続けた積み重ね。ゴール前で強さと声発揮
ゲキサカ / 2022年2月3日 23時53分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.31 東北高校新人選手権準決勝 尚志高 2-1 明桜高 Jヴィレッジ]
大きな壁の後ろで学んだCBが、東北制覇に大きく貢献した。尚志高(福島)のCB山田一景(2年=伊丹FCジュニアユース出身)は登録175cmと特別なサイズはないものの、ゴール前で抜群の存在感。明桜高(秋田)との準決勝ではゴール前で何度も相手の攻撃を跳ね返してみせた。
特に2-0から後半24分に1点を返された後は苦しい時間帯に。だが、「相手の流れだったし、難しかったけれどもこのチームならばやれると思ったし、2次攻撃をやられてしまうので『セカンドボールだけはしっかり拾え』と言いました」という山田の声、ゴール前の強さが1点勝負を制す要因になった。
尚志の指揮を執った梅津知巳コーチも「(山田は)選手権メンバーに入っていたんですけれども、本当に今、変わろうとしていて、中心で最終学年なのでやるという気持ちが生まれたのか、今凄く良い形でいっています。そんなに大きくはないけれども、球際のところで無理が効くので、ちょっとここが核になってくるかなと」と東北新人戦でのパフォーマンスを認め、今後への期待を寄せていた。
以前は身体能力に頼った守備をしていたようだが、意識して予測力を向上。昨年、U-22日本代表CBチェイス・アンリ(3年)とCB安江海ラウル(3年)という全国トップクラスのCBコンビの陰で伸ばしてきた力を新チームで発揮している。
「去年の壁がデカすぎたので……。今年は自分もその(強固な守備の)一部になりたいなと思っています。アンリ君は私生活とかずっとストレッチしていたので。そういうのを真似していきたいと思っています。(そして、)チームを盛り上げる声とかもっとやっていきたい」。学んだことや自分の特長を活かしてチームのために戦う。
兵庫県の伊丹FCジュニアユースから初めて尚志へ進学。練習環境の良さや寮を見て、進路に選んだ。ただし、一つ想定外だったことがある。それはアンリの存在だ。「知らなかったので。マジか。いたの、こんなのと」と笑う。それでも、一緒のピッチでトレーニングし、寮で生活したからこそできた積み重ね。アンリがピッチで見せる厳しさ、オフでの明るさや身体への気遣いなど、他校のCB以上に多くのことを学ぶことができたと感じている。
高校生でU-22日本代表まで駆け上がったアンリと同じステージに立つことは難しいだろう。それでも、「負けたくないですね」。インターハイ、選手権ともに無失点ながら2回戦で敗退した先輩を結果で上回り、大きな壁を超える。
(取材・文 吉田太郎)
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