自分を出すために前へ。スプリント数増加の右SB鈴木大翔がU-17日本高校選抜で2日連続アシスト
ゲキサカ / 2022年2月19日 2時16分
[2.18 練習試合 U-17日本高校選抜 4-5 駒澤大]
自分を出すことに集中。その姿勢が、結果に結びついている。U-17日本高校選抜の右SB鈴木大翔(尚志高2年)は、静岡合宿初日からエネルギッシュな動き。初日は対人守備で“絶対にボールを取り切る”と伝わるようなプレーを見せ、ゲーム形式の10対10では尚志の新チームで増えているというクロス練習の成果を発揮し、FW小林俊瑛(大津高2年)へのピンポイントクロスで唯一のゴールをアシストした。
2日目の駒澤大戦は2本目から出場。開始直後に右サイドからのスプリントを見せたが、その後は押し込まれる中でなかなか前に行く姿勢を見せられなかった。1-2から1-4へ突き放されて2本目は終了。だが、3本目途中から再出場した鈴木は「(2本目は)全然前に行けなくて。自分の持ち味を出すためには前に行かないといけないと思っていたので、3本目は少し意識してスプリントの回数を増やしました」。
3本目は先に右SBで出場していた豊田怜央(桐光学園高2年)が最前線まで飛び出してシュートも。「マズイな、と思って刺激になりました」と明かす鈴木は、右サイドでスプリントしていた豊田以上に攻撃を意識して走った。
右SH高橋隆大(静岡学園高2年)のキープ力の高さも信じて積極的に高い位置へ。そして、崩しに絡み、クロスの本数を増やした。1-5から2点を返して迎えた36分には高橋のループパスに反応してロングスプリント。「裏抜けて自分でシュートも打てたんですけれども。(また、)DFが2人いてマイナスを切っていたけれど、奥に味方が見えたので、一か八か通しました」。絶妙なラストパスがファーサイドのMF名願斗哉(履正社高2年)へ到達し、1点差となった。
試合には敗れたものの、3本目は運動量も、ボールに絡む回数も増やし、相手の脇へ斜めに差し込む好パスも。持ち味を発揮し、大学生を押し込む一因となっていた。鈴木は、昨秋のU-17日本高校選抜の活動や前回の選考合宿で特別目立っていた訳ではない。だが、「(蒲原監督から)『(短期間の合宿を)やり辛いで終わらすな』と言われていたので、自分を出さないといけないと思っていた」という鈴木は特長を表現する2日間。「こういうところに呼んでもらって、尚志とか背負っているので、良いプレーできて良かったなと思います」と微笑んでいた。
鈴木は昨年、強豪・尚志で右SBのポジションを掴んでいたが、第100回選手権は出番がないまま2回戦敗退。「急に出れなくなって何がダメなんだろうとか考えたり、危機感がありました。1年間、(尚志の)仲村監督から『オマエは仕掛けろ』と言われていたんですけれども、全然ダメだなと帰省して家で考えて。そこで少し変わろうと思って、新年からチームで自分の武器を出そうとやっています」。1月末の東北新人大会決勝でも距離の長いドリブルなどにチャレンジ。どの試合でも常に持ち味を出すことを目指している。
尚志ではU-22日本代表のCBチェイス・アンリ(3年)の背中を見てきた。「アンリくんは代表とかの活動行っていて、去年の新チームが始まったくらいから凄く声を出してまとめていたので、自分もそういう経験をしているので、見習って、自分から声を出してまとめられるようにしていきたいです」と誓う。
そして、ビルドアップの精度をより向上させて、アシスト、ゴール数も増加させること。残り2日間のU-17日本高校選抜合宿へ向けては「1日目、2日目もアシストしているので、明日明後日もアシストしてできれば点も決めたい」と言い切った。さらに自信を深めて尚志での活躍に繋げる。
(取材・文 吉田太郎)
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