九州新人代替大会は神村学園が優勝。大迫、福田不在も泥臭く戦い、目標へ新たな一歩
ゲキサカ / 2022年3月14日 7時13分
後がなくなった神村学園は、180cmのDF田中惇(2年)を前線に投入。4バックから3バックに変更し、攻勢を強めた。策が実ったのは試合終了間際の30+3分。笠置、FW名和田我空(中3)と繋ぎ、右サイドからDF有馬康汰(1年)がクロス。中央で田中と名和田が競ったこぼれをMF平木駿(1年)が頭で押し込み、PK戦へと持ち込んだ。
PK戦で輝いたのは、守護神の広川だ。2失点ともに自らのミスによる失点だったため、PK戦が始まる直前にチームメイトから「獲り返して来い」と声を掛けられて発奮。準決勝でも、国見のPKを防いで勝利に導いたため、「PKになったら大丈夫という気持ちでいました。相手のGKも上手かったけど、負けてはいけないとも思っていた」(広川)。鹿児島城西のGK橋口竜翔(1年)が、神村学園の1人目をストップしたのに対し、広川も2人目のキックをストップ。迎えた6人目でも広川がキックを止めて、2-2(PK5-4)で神村学園が勝利した。
今大会、神村学園が掲げたテーマは、泥臭く戦う事。「昨年を超えて日本一になるため、チームのために戦える選手を一人でも多く増やしたい」と笠置は口にする。チームの看板である大迫、福田抜きでも準決勝以降の2試合を粘り強く戦い、勝利出来たのは収穫だが、「頑張りが空回りして、上手く行かない場面が多かったように感じた。頑張る方向がまだ定まっていない」(栢野コーチ)のも事実。笠置も「苦しい状況で勝ち切れたのはチームの成長に繋がるけど、本当はもっと自分たちのペースで試合をしないといけない。まだまだ目標には届かない」と続ける。
優勝の喜びに沸いたのも束の間で、ベンチから引き上げる際に笠置が「優勝した後が大事」とチームメイトに伝えていたのが印象的だった。今回のタイトルは、まだスタートラインに過ぎない。手にした課題、収穫を成長材料に変えて、目標とする日本一獲得へと進んでいく。
(取材・文 森田将義)
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