攻撃的なボランチがSBで精度発揮。高川学園は早生まれの1年生DF藤井蒼斗が決勝点の起点に
ゲキサカ / 2022年3月17日 10時2分
[3.14 中国高校新人大会決勝 高川学園高 2-1 米子北高]
本来は攻撃的なボランチが、DFとして中国新人大会優勝に貢献した。高川学園高は後半35+2分、右サイドでボールを持ったSB藤井蒼斗(1年=高川学園中出身)が前線のFW 山本吟侍(1年)へグラウンダーパスを通す。すぐに前を向いた山本がスルーパス。これで抜け出したFW井上陸奥(2年)が決勝点を挙げた。
「(1-1に)追いつかれてしまって、全員気持ちが焦って、ロングボール、ロングボールになってしまっていた」中、藤井は江本孝監督からの「(後半はチーム全体で)グラウンダーのパスを前半以上の確率に上げろ。1本のパスをしっかり繋ごう」という指示を実践。相手のプレッシャーの速さ、迫力に苦しんでいた高川学園だが、視野の広さと正確なパスが特長の1年生はこのシーンで1本のパスを落ち着いて繋ぎ、決勝点に結びつけた。
藤井は今冬の全国大会こそ出場機会がなかったものの、昨年の選手権予選決勝でCBとして先発出場し、3-0で勝利。今回の中国新人大会は右SBとして的確なカバーリングや粘り強い守備を発揮し、優勝に貢献した。
「自分、元々ボランチの選手なんですけれども、高校入ってから右SBやCBを交互にやっています。(今大会は)前に行ってクロスとかあまりなかったんですけれども、オーバーラップとかクロスが持ち味なのでもっと出したい」。守備についても対峙した米子北高の10番MF中井唯斗(2年)に主導権を握られる展開。先輩DFたちの声によって集中を保ち、セットプレーによる1失点で終えて優勝したものの、満足はしていなかった。
昨年は1年生の自分が慣れないDFで、それも上の学年のチームで先発起用されることに不安があったという。「最初は『僕で大丈夫なのかな』という感じだったんですけれども、相方の加藤(寛人=3年)さんにプラスの声を掛けてもらって、マイナスになっちゃいけない。自分でやってやろうという感じでした」。頭を常に働かせることを意識し、当初に比べるとDFとしてのプレーも向上。将来、ボランチで活躍することも目指す藤井は、それを見据えて精力的に守備の強化に取り組んでいる。
目標とする選手は「ボランチだったら大島僚太選手、右サイドバックだったら山根視来さんとか」攻撃的なプレーヤーの名を挙げる。06年の早生まれで今年は国体選抜としても活動予定。期待値高いDFは、高川学園や選抜チームでの活躍を上のステージに繋げるか。まずはこれまでと変わらず、周囲を意識しすぎることなく自分のプレーをすることに集中。より自分の強みを表現できるようになって、チームの勝利に貢献し続ける。
(取材・文 吉田太郎)
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