[球蹴男児 U-16]互いが個性をぶつけ合った好勝負。九州国際大付が4-3で鹿児島城西に逆転勝ち
ゲキサカ / 2022年5月4日 7時58分
[5.3 球蹴男児 U-16D1第10節 九州国際大付高 4-3 鹿児島城西高 大津町運動公園球技場]
九州地域のU-16年代において、長期にわたるリーグ戦を通して選手の育成および指導者のレベルアップを図る「2022 球蹴男児 U-16 リーグ」Division1が3日に開幕し、九州国際大付高(福岡)が鹿児島城西高(鹿児島)に4-3で逆転勝ちした。
強豪同士が個性をぶつけ合った好勝負。前半、梶川恭平コーチが「素材はめっちゃ楽しみです」と評する九国大付が、快足MF平田豊輝の高速ドリブルやFW安高羅央のグイグイと前に出る動きでゴールへ迫る。そして30分、右クロスのこぼれから安高が右足で決めて先制した。
対する鹿児島城西はけが人が多く、本来FWの選手をDFラインで起用するなど苦しい陣容。それでも、FW中村玲音が絶対の自信を持つドリブルでチャレンジするなど対抗する。先制点こそ奪われたものの、32分にMF當眞竜雅のスルーパスからFW上船晴人が右足で同点ゴール。42分には中村が個人技でゴール前までボールを運び、最後は梶原寛人コーチが「一発持っているんですよ」と評するMF添島連太郎の豪快な右足シュートで逆転した。
鹿児島城西は後半3分にもバイタルエリアのフィフティボールを先に触れた上船が抜け出し、右足シュート。ポストの跳ね返りを自ら押し込んで3-1とした。九国大付は悪い流れのまま3連続失点。だが、平田が「正直焦りましたけれども、今までの経験でも逆転されて、また追い越すということがあったのでそれを信じて戦いました」というように諦めない。
後半11分、左SB岩井南都の左ロングスローからMF三好響輝が追撃ゴール。さらに平田の突破からMF栗栖悠斗が決定機を迎えるが、鹿児島城西GK藤吉純誠がストップする。鹿児島城西もMF福留大和が抜群のスピードを活かして右サイドを抜け出し、GKを引き付けてラストパス。だが、決め切ることができない。
九国大付は17分、敵陣でボールを奪うと、MF濱田俊大がDFを抑えながら前を向いてスルーパス。「自分の武器は(50m走6秒ジャストの)スピードで、そこでしか仲間に貢献できない。GK出てきたので最初焦って打とうかなと思ったけれど、一回フェイント入れて、相手の変化を見て、食いついてきてくれたので、かわしました」という平田がGKをかわして左足シュートを流し込んだ。
これで3-3。九国大付はさらに23分、相手CKのカウンターからGK清本琉高がパントキック。右ハイサイドで収めた三好がサポートしたMF赤金翔へ落とすと、赤金はゴール方向へのドリブルからニア上へ右足シュートを叩き込んだ。
鹿児島城西はこの後、再び決定機を2度3度と作り出すが、シュート精度を欠いて追いつくことができず。中村は「自分たちの流れが相手の流れに行ってしまって、やっぱり決め切るところは決め切って終わって、勝ちたかったです」と悔しがっていた。
勝った九国大付の先発では、「自分を変えたくて九国に来ました」という無名の快足MF平田と188cmCB松嵜颯太が地元の中体連出身。強豪・小倉南FCジュニアユース出身の選手たちや北九州U-15出身の182cmCB三宮晃空ら含めてポテンシャルのある、個性的な選手が多い。平田は「チームの中でそれぞれの個性を理解して、いつも練習とか試合に励んでいるのでそういうところは自分たちの強みでもあるかなと思います」。原石たちが自分を磨き上げ、チームでライバルたちを超える。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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