「目標にしています」。選手権優勝の兄と同じ「10」背負う山梨学院MF野田駿人が山梨制覇に貢献
ゲキサカ / 2022年5月13日 19時3分
[5.13 関東高校大会山梨県予選決勝 山梨学院高 2-1 韮崎高]
山梨学院高は、かつてスペインへコーチ留学し、帰国後に讃岐などの監督を務めた羽中田昌新監督の下、新たなスタートを切っている。これまでよりもボールを大事に、多くの選手が係わって攻めるスタイルへシフトチェンジ。この日、そのサッカーの中心となっていたのが、MF野田駿人(3年=インテリオールFC出身)とMF小棚木蒼大(3年=鹿島アントラーズジュニアユース出身)のインサイドハーフコンビだ。
ともにボールスキル高い2人は、相手にとって嫌な立ち位置を取りながらボールを引き出し、チャンスメーク。10番を背負う野田は「自分はハーフタイムに『もっとボールを受けろ』と言われて、前向いてパスとかドリブルが得意なので、自分からやるようにしていました」。試合を決める仕事をするまでには至らなかったが、それでも質の高いタッチからドリブル、パスのアイディアも出しながらプレー。攻撃陣を引っ張り、優勝に貢献した。
その野田は「自分は真ん中で持ってゲームメークをして、チャンスを作れるようになりたいです。持った時のドリブルとか、パスの出すところとか、最近はシュートを打つようにしている。そこを見て欲しい」。狭い局面を打開する動きも特長。「もっと成長して、自分がチームの中心になれるようにしたい。(飛躍するために)あと一個一個のプレーの質を上げていきたい」と意気込んでいる。
兄のMF野田武瑠(現順天堂大)は、2年前に10番を背負って全国高校選手権優勝。決勝では鮮やかな同点ゴールを決めてチームを救い、日本高校選抜にも選出された名手だ。兄と同じ10番を背負って、まずは県タイトルを勝ち取った。
兄と比較されることも多そうだが、本人は「気にしないようにしています」。ただし、兄は目標の存在でもある。「(2年前の全国制覇は)格好良いなと思って。しかも、決勝で決めていて、比較されるのは気にしていないですけれども、目標にしています」。まだまだ兄の背中を追う立場だが、スピードの部分では負けない自信がある。一つ一つ白星を重ねながら成長を続けて、目標とする姿に近づく。
(取材・文 吉田太郎)
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