1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

先を見据え、上手く行かないことにも妥協せずトライ。神村学園が鹿児島準決勝を4-0で突破

ゲキサカ / 2022年5月27日 17時47分

 それでも24分、中盤の底の位置でボールに係る回数を増やしていた笠置が、角度をつけた鋭いパス。これが樟南のDF網を抜けて前線の名和田へ通る。1年生10番はコントロールから右足シュートを決めて1-0とした。

 畳み掛ける神村学園は、敵陣での奪い返しなどから決定機を連発。だが、樟南は奥田や師玉がゴールラインすれすれでボールをかき出し、追加点を許さない。神村学園は一方的に攻めながらも1得点で前半終了。ハーフタイムには有村圭一郎監督から「良い選手は見えないところ、オフのところで一生懸命やる。ボールを持っていないところで汗をかけていない」と指摘されていた。

 後半、神村学園はファーストプレーで大迫が中央突破を図るなどギアチェンジ。樟南も5分に八木の縦パスから細山が右足を振るシーンがあったものの、後半は動きの出た神村学園の攻撃の迫力が増し、得点数を増やした。5分、名和田の右足シュートはクロスバーをヒット。だが、11分、自分でやり切る姿勢を指摘されていた左SB高橋が、カットインからの右足ミドルを右隅へ決めた。

 神村学園はすぐに追加点を挙げる。高橋を吉永夢希(2年)へ代えて迎えた14分、積がGKとDF間へ入れた右クロスを西丸が左足ダイレクトで合わせて3-0。21分には名和田の左クロスを積が頭で流し込み、4-0とした。

 神村学園は直後に右SB長沼政宗(2年)、CB槝之浦陽(3年)、MF上地蓮(3年)を投入。27分にはFW高倉太朗(3年)を起用した。一方の樟南は後半、9分のFW田中祐志(1年)投入を皮切りに、MF古川翔大(2年)、MF中西海聖(2年)、DF宮城大輝(3年)、FW田重田祐大(2年)を送り出した。神村学園は名和田が1対1をGK小村に止められるなど、5点目を奪うことはできなかったが、4-0で決勝へ駒を進めた。

 神村学園の有村監督は今季、あえて選手たちにストレスがかかるような戦い方を要求しているのだという。「ちょっとしたことなんですけれども、ちょっとしたことをやらない」(有村監督)というように、数10cmのマークを外す動きなどはまだまだ課題。だが、上手く行かない中で必要なことに気づき、その回数を増やすこともできてきている。

 また、大迫は「今は(上手く行かなくても、)チャレンジするところをやっていかないといけない。(各選手が)自分基準になっているところがあまりよくないところで、パスも相手がいないところにパスを出したり、シュートもGKいないところにシュート打ったりとか相手を見てもっとプレーできることを増やしていければ、もっと良くなると思います」。全体的にまだミスも多いが、福田と大迫、名和田ら攻撃陣は全国屈指のレベルでDF陣の怪我人が戻ってくれば安定感もより高まりそう。昨年度はインターハイがベスト8で選手権は初戦敗退。日本一という目標を成し遂げるため、個々の将来のためにも、できることを増やし、高いレベルの相手でも勝ち切る力をつけなければならない。

 1年時から注目されてきた大迫、福田が最終学年に。大迫は「今年は優勝したいですね。今のままじゃ絶対無理ですけれども。まずあした絶対に取らないといけない。全員で、100%で戦って、勝って、そこからの準備期間でピッチ内ピッチ外の隙をなくしていけば、全国でも戦っていけるチームだと思う」。まずは鹿児島城西高との決勝(28日)に集中。有村監督が「福田が入ればまたちょっと違う色が見せられる」と語るように、多彩な攻撃でゴールを連発して全国制覇への挑戦権を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2022

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください