涙の準決勝から奮起。FW山下陸主将が誰よりも声を発し、誰よりも身体を張って星稜を全国へ導く
ゲキサカ / 2022年6月7日 20時8分
[6.6 インターハイ石川県予選決勝 星稜高 1-0 鵬学園高 金沢市民サッカー場]
前日の準決勝は自分の表現したい動き、キャプテンらしいことが何一つできずに涙の途中交代。それでも、決勝でFW山下陸主将(3年=星稜ジュニアユースFC出身)は名門・星稜高のリーダー、エースに相応しいパフォーマンスを見せた。
「(河合伸幸)監督にも『オマエ、(キャプテンマークを)巻いてるだけやぞ』と言われて、自分でも交代が悔しくて泣いてしまって落ち込んでいたんですけれども、今日は(2年前に亡くなった)友だちの命日ということで、キャプテンらしくどんな時も良い声がけをしようと意識して戦っていました」。
試合中、何度も味方の下へ駆け寄りハイタッチと声がけ。仲間たちが前向きに戦えるように誰よりも声を発していた。そして、最前線で誰よりも身体を張ってプレー。泥臭くボールをキープし、浮き球に対して跳躍して胸で収めた。そして、競り合ったDFを弾き飛ばすように前進し、超ロングシュートも。ポストワークで決勝点にも絡む活躍だった。
対戦した鵬学園高の2CBは、いずれも注目DFの八十島陸翔(3年)と鈴木樟(2年)。特に八十島は自身よりも10cm近く大きな186cmの大型DFだ。だが、その競り合いに一際闘志を持って臨み、上手く身体を当てるなど互角以上の戦い。河合監督も「発破かけましたから、あのくらいはやってくれると思っていました」と頷く70分間だった。
昨年度はインターハイ、選手権でいずれも1得点。「今シーズン入ってから点獲ることと胸トラップを(コーチの)木原(力斗)さんからはずっと言われていたので、胸トラップは今大会を通して自信になったし、全国で自分の良いところを出して行けたらなと思っています。(主将としては)甘いところはどんどん言って、今日みたいにプレーで前からどんどんアグレッシブなディフェンスでチームを勢いづけたい」と意気込む。
目標は昨年の全国3位を超えること、そして「今年は得点王を目指したいです。(昨年よりも)もっと輝けるようにしたいです」。この日のプレー、勝利をきっかけにより強いリーダー、より強力なストライカーになって目標を達成する。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2022
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